セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、もし自分がF1運営責任者であれば12気筒エンジンを復活させるだろうと語った。
地球温暖化にストップをかけることが急務となっている中、市販車はハイブリッド化や電動化が急速に進められている。
そして2014年に1.6リッターV型6気筒ターボエンジンとエネルギー回生システムを組み合わせたハイブリッド方式の現行エンジン(パワーユニット)を導入したF1も今後さらにカーボンニュートラル実現を目指す青写真を示しており、2025年には革新的なバイオ燃料もしくは合成燃料を用いた2ストロークエンジンを導入することになるかもしれないとも言われている。
しかし、かねてからF1における“純粋主義者”として知られるベッテルは、もしも自分がF1運営責任者であればハイブリッドエンジンはスクラップにするだろうとしている。
先週、オーストリアのキッツビューエルで前F1最高責任者のバーニー・エクレストンやレッドブル首脳陣と一緒にいるところが目撃されたベッテルはドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に次のように語った。
「僕が最初にやるのはシリンダーの数を倍にすることだろうね」
「さらに、バッテリーも取り除くだろう。クルマをスタートさせるとき以外にあれが必要だとは思わないよ」
しかし、こうしたベッテルの考えが現在のトレンドとは相容れないものとなってきているのは間違いないだろう。
例えば、現在DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の責任者を務める元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、将来的には1000馬力を発生するフル電動ツーリングカーを導入する日が来るだろうと語り、次のように付け加えた。
「DTMのような、ものすごくハイパフォーマンスなドライビングマシンであれば、ホイール・トゥ・ホイールの戦いで観客を魅了することができるだろう」
また、2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグもモータースポーツの電動化に前向きだ。
「仮に合成燃料を使ったとしても、ハイブリッドエンジンの方が自然吸気エンジンよりも効率がいいんだ」
自らも環境改善事業に投資を行っているロズベルグはそう語ると次のように付け加えた。
「新たなバッテリー技術によって電気出力はさらに地球に優しいものになるだろう。僕はすでに2018年に言ったけれど、F1も最終的にはフォーミュラEと合体することになると思うよ」