元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、2020年にはセバスチャン・ベッテルがシャルル・ルクレールに勝つ可能性も大いにあると考えているようだ。
レッドブル在籍時の2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルだが、2015年にフェラーリに移籍して以来まだ一度もタイトルに手が届いていない。
そればかりか、2019年には新たなチームメートに迎えた若いルクレールにも敗れてしまい、いまやフェラーリのナンバー1ドライバーとしての地位さえ失ってしまったと考えられている。
実際、フェラーリはルクレールとの契約を2024年まで延長したものの、ベッテルとの契約を更新するかどうかは今年の序盤のレースを見て検討すると示唆しており、F1関係者やファンの中にはこのままベッテルが引退の道を歩むのではないかと考えている者もいるようだ。
だが、かつてマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートを務めたほか、フェラーリでも2期にわたって戦ったことがあるオーストリア出身のベルガーはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「(2020年が)彼個人にとって決定的な年になるのかどうかは分からない」
「彼は今年を最後の年とし、いい形で引退したいと思っているのだろうか? あるいはルクレールをやっつけたいと思っているのだろうか? ルクレールは手強い相手だ。だが、フェラーリやメルセデス、あるいはレッドブルで走るのであればどこであっても同じ状況を迎えることになるんだ」
「トップチームでは常にそうだったよ。どちらか一方が残るまでぶつかりあう2頭の獣がいるんだ。私がマクラーレンに行ったときには、それはセナだった」
「そこから逃げるわけにはいかないんだ」
そう語ったベルガーは、今年は32歳のベッテルが22歳のルクレールに打ち勝って再び自分がフェラーリのトップドライバーであることを証明して見せる可能性もあると次のように続けた。
「昨シーズンの終盤にはベッテルがルクレールを相手にすごくうまくやれることを示していた」
「ルクレールには将来があり、セバスチャンがキャリア終盤を迎えているのは疑う余地もないことだ」
「だが、彼には非常に豊かな経験がある。4回もF1チャンピオンになっているし、フェラーリでも5年やってきている。それをもとに、彼は勇敢な若者と帳尻を合わせることもできるよ」
そう語った60歳のベルガーは次のように付け加えた。
「興味深い戦いになるだろうね。しかし、私はあえて結果を予想するつもりはないよ」