フェラーリのライバルたちは、夏休み明けにはフェラーリが勢いを取り戻す可能性が高いと考えているようだ。
今季からフェラーリのチーム代表となったマッティア・ビノットは、先週末にF1第12戦ハンガリーGPが行われたハンガロリンクにおいて「1週間前には我々のマシンがコース上では最速だったんだ」と語っていた。
ビノットが言及したのはホッケンハイムで開催された第11戦ドイツGPのことだ。予選でトラブルが発生してしまったフェラーリのセバスチャン・ベッテルはそのレースを最後尾からスタートしたものの、雨となった決勝ではどんどん順位をばん回し、最終的にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに次ぐ2位で終えていた。
■ハンガロリンクではメルセデスとレッドブル・ホンダに置いていかれたフェラーリ
ところが、ハンガリーGPでのフェラーリはレッドブル・ホンダのフェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンのペースについていくことができなかった。ベッテルが3位表彰台に上ったものの、トップのハミルトンからは60秒以上も離されてのフィニッシュだった。
こうした結果を受け、イタリアのメディアも次のようにフェラーリに対する苦言を呈している。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「赤いマシン(フェラーリ)はまったくゲームに加わることができなかった」と書き、『La Stampa(スタンパ)』も「フェラーリはハミルトンとフェルスタッペンという2人の逸材のとてつもないペースにはついていくことができない」と嘆いている。
■サーキット特性の影響が大きいとフェラーリ
ビノットは、ハンガリーでのフェラーリのパフォーマンス不足は「空力的弱点」と気温がかなり上がってしまったことがその原因だったと次のように語っている。
「我々のパフォーマンスはサーキットによる影響が非常に大きいと見ている」
「ハンガロリンクのようなサーキットでは大きなダウンフォースが必要だが、我々はそれに苦しんでいる」
「しかし、それは言い訳にはならない。我々のクルマは勝者から1分も遅れてのフィニッシュだったし、それは我々に強さが足りないということだ」
■後半戦序盤はフェラーリの速さが復活?
だが、空力に問題を抱えてはいるものの、エンジンパワーに関しては現時点ではフェラーリが最強だと考えられている。つまり、夏休み明けに行われるベルギーGPの舞台となるスパ・フランコルシャン・サーキットとその1週間後にイタリアGPが行われるモンツァ・サーキットはエンジンパワーが物を言うパワーサーキットだけに、そこではフェラーリが強さを示すことも十分に考えられる。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフもドイツの『Welt(ヴェルト)』に次のように語っている。
「パワーサーキットにおいては、よりよいエンジンパッケージによってフェラーリが強敵となるはずだ」
■スパやモンツァでの苦戦を予想するフェルスタッペン
一方、直近の4レースで2勝と波に乗るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだが、スパやモンツァでは自分たちが苦戦を強いられることになるだろうと考えている。
「これから僕たちにとっては理想的とは言えないサーキットをいくつか迎えることになる」
母国オランダの『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』にそう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「だけどクルマとエンジンの両方がアップデートされることになっているから、それによって差を縮められることを期待しているよ」