フェラーリがどのサーキットにおいてもメルセデスと対等に戦えるようになるのは、少なくとも数レース後のことのようだ。
モントリオールで行われた前戦F1カナダGPでは決勝でペナルティーを受けてしまったセバスチャン・ベッテルが正式結果では2位となったものの、予選・決勝を通じてフェラーリの方がメルセデスよりもいいパフォーマンスを発揮していたのは確かだ。
だが、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはイタリアの放送局『RAI』に対し、それはカナダGPの舞台となったジル・ビルヌーブ・サーキットの特性によるものだったと語り、今週末にフランスGP(23日決勝)が開催されるポール・リカール・サーキットではまた様相が違ってくるだろうと次のように続けた。
「ポール・リカールは我々にとってはもっと困難なサーキットになるはずだ。モントリオールよりはバルセロナに近いからね」
それゆえ、フェラーリではすべてのサーキットに対応できるように今季のF1マシンのコンセプトを修正しようと全力で取り組んでいるようだ。
「もちろん、タイヤに関しては我々にはそれを変えることはできない。我々にできることはクルマのコンセプトを変えることだ」
そう語ったビノットは次のように続けた。
「つまり、もっとダウンフォースと空気抵抗を増やすということだ。そして、それは1日で修正できるものではない」
「そのプロセスには何週間かが必要だろう。空力の変更がすべて正しい方向へ向かうことを確実にしなくてはならないからね」
「どこででもメルセデスに挑戦できるようになるには、2回か3回の改良版を投入することになるだろう」
ビノットは、そのコンセプト変更が実を結ぶまではタイトル争いのことを考えても仕方がないと次のように付け加えている。
「優先すべきは問題を正しく認識し、最高の形でそれに対応することだ。それによって我々は可能な限りすぐに強さを取り戻すことができるだろう」