FIA(国際自動車連盟)はF1カーのパーツが非合法なものであるかどうかを判断する手順をもっとスピードアップすべきだ。
そう主張しているのは元F1ドライバーであり、現在はメルセデスF1チームの非常勤会長を務めるニキ・ラウダだ。
■次戦から禁止となったフェラーリのバックミラー
先週末に今季のF1第5戦が開催されたバルセロナ-カタルーニャ・サーキットには、フェラーリがコックピット保護装置のハロにバックミラーを装着したものを新たに導入していた。だが、そのミラーを補助するためという名目で小さなウイングが備えられており、これは現在のレギュレーションに違反するものではないかとの声が上がっていた。
このフェラーリの新型ミラーを検証したFIAは、スペインGPではそのまま使用することを認め、次戦モナコGP(27日決勝)以降は使用不可とするという判定を下していた。
■フェラーリに関してはルールの“解釈”の問題
F1競技委員長を務めるFIAのチャーリー・ホワイティングはこれについて次のように語っている。
「これは“付属品”という語の解釈の問題だと考えている。そして我々としては彼らが持ち込んだものは付属品ではないと考えている」
「これからチームたちに技術指示書を送ることになるが、そこにすべて明確に記述するつもりだ」
ホワイティングは、あるチームがレギュレーション上すれすれのことをやってきた場合、特に、それに対してライバルチームたちが“異論”を表明した際にはあらためてルールの解釈を明確化するのは“通常”の手順であると語り、次のように付け加えている。
「仮に、フェラーリが持ち込んだパーツが明らかにルールに違反していたのであれば、我々としてもバルセロナでそれを使用することを認めなかっただろう。我々はそうする代わりに、これからすべてを説明することにしている」
■FIAの判断プロセスには時間がかかり過ぎる
だが、ラウダはFIAのそうした姿勢に疑問を投げかけている。
ラウダはドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に対し、フェラーリに関する疑惑は今回のミラーだけではないと次のように語った。
「これまでフェラーリがスタートするときに上げる煙についてもうわさがささやかれてきている。燃焼させることができるオイルの量に関してはかなり制限されているにもかかわらずね」
「それは、彼ら(FIA)が何か調査を行っていることを意味するものだ。我々は彼ら(フェラーリ)が非合法だと考えているわけではない。私が言わんとするところは永遠に調査をすることはできないということだ」
そう述べた69歳のラウダは次のように付け加えた。
「いつかは、問題があるのかないのかをはっきりさせなくてはならない。私に言わせれば、それに時間がかかり過ぎだよ」