ロバート・クビサが2019年にウィリアムズのシートを獲得できるチャンスもある。
そう語ったのはウィリアムズの技術責任者を務めるパディ・ロウだ。
■今後もクビサの評価プログラムを続ける
2011年に起きたラリーレースで大けがを負ったクビサが、障害を抱えながらも今年ウィリアムズで奇跡のF1復帰を果たすのではないかと言われていた。
だが、最終的にウィリアムズはロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンを選択。クビサは控え兼テストドライバーとしてウィリアムズに迎え入れられることになった。
2016年まで最強メルセデスAMGの技術責任者を務めていたロウは、今後もクビサの状態には注目し続けるとロシアの『Championat(カンピオナ)』に次のように語った。
「彼のために真剣なテストプログラムを組んだし、今後も彼を評価するためにこのプロセスを続けていくつもりだよ」
「これによってどういう結果に導かれるのか、様子を見よう」
かつてBMWザウバーやルノーで活躍したクビサが2019年にF1復帰できる可能性はあるのかと尋ねられたロウは、「ああ、おそらくね」と答えている。
■シロトキンは複数年契約だとチームCEO
しかし、実際のところは、クビサが2019年にウィリアムズの正ドライバーに迎えられる可能性はかなり小さいかもしれない。
ウィリアムズのチームCEOを務めるマイク・オドリスコルは、ロシアの『Sport Express(スポルト・エクスプレス)』に次のように語った。
「詳細を漏らすつもりはないが、セルゲイとの契約は数シーズンに及ぶものだ」
「パディとともに、私はウィリアムズを再びF1チャンピオンにしたいと思っているし、セルゲイはその計画の一部なんだ」
オドリスコルは、シロトキン登用を決めた最大の理由はその「一貫性」にあったと次のように続けた。
「テストにおいて、彼は信じられないほどの一貫性を示したんだ」
「確かに、彼がまだよく知らないサーキットもたくさんある。だが、シロトキンは非常に才能が豊かだし、学ぶスピードも速いよ」
■シロトキン採用の決め手は金ではない
だが、最終的にウィリアムズがクビサではなくシロトキンに決めたのは、シロトキンを支援するロシアのスポンサーがクビサよりも多額の資金を持ち込めるためだと考えている者も多い。
しかし、シロトキンを支援するSMP銀行のオーナー、ボリス・ロッテンベルグは『Tass(タス通信)』に次のように主張した。
「金も重要な構成要素だよ。だが、シロトキンがウィリアムズに行けたのは金ではなく彼の競技的要素のためなんだ」
「我々はその代わりに技術の方へ金をつぎこんでいるところさ」
■今年シロトキンに求められるのは実力の証明
シロトキンが所属するSMPレーシング(ロシアのドライバー育成プログラム)でディレクターを務めるドミトリー・サモルコフは、シロトキンがウィリアムズと結んだのは条件つきの複数年契約だと示唆している。
「詳細を公表することはできないが、1年あるいはそれ以上だよ」
『Sportbox(スポルトボックス)』にそう語ったサモルコフは、次のように付け加えた。
「セルゲイが今年自分の力を証明できるか、すべてはそれにかかってくるだろうね」