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「F1ではレスターのような奇跡は起こらない」とザウバー女性チーム代表

2016年06月09日(木)16:56 pm

ザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーンが、F1において平等な戦いが実現できるよう今後も声を上げ続けるつもりだと主張した。

■欧州委員会の介入を待つザウバー

ザウバーは、同じ独立系中堅チームであるフォース・インディアとともに、F1の収益分配システムや意思決定システムは欧州競争法に違反するものだとして欧州委員会に対し正式に申し立てを行っている。そして、現在はその審査が次の段階へと進むのを待っているところだという。

史上初の女性F1チーム代表として知られるカルテンボーンは、スイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語った。

「ええ、そしてこの闘争はこれからも続いていきます」

■現在のシステムがF1をゆがめている

「イギリスのプレミアリーグ(サッカー)を見てください。そこでは選手権で最下位となったチームも、チャンピオンよりもわずかに少ないだけの金額を得ているのです。それは、大チームはすでにより多くのスポンサーシップを手にし、広告収入なども多いというアドバンテージを得ているからです」

「そういうシステムがあるからこそ、レスターのようなクラブがタイトルを勝ち得ることもできるのです。しかし、F1では大規模チームが小規模チームの何倍もの収入を得ているのです」

そう語ったカルテンボーンは、現在のF1のシステムを次のように批判した。

「お金や特権の分配に関するルールが競争をゆがめてしまっているのです」

■2017年型車開発にはすでに着手

長期にわたって厳しい財政状況に置かれているザウバーは、現在も生き残るために必死の活動を続けている。しかし、再び大きくF1技術ルールが変わる来年に向けて、根本的に新しいF1カーを製造しなくてはならいという大きな課題にも直面しているのだ。

ザウバーではすでに来季用シャシーの準備にとりかかっているのかと質問されたカルテンボーンは「はい」と答え、次のように付け加えた。

「クルマは幅が広くなり、さらに攻撃的なものになります。ですが、それによってさらに高額なものとなるのです。なぜならば、私たちが従うべきルールは大規模チームが決めているのですからね」

■F1からの撤退は「想像できない」

カルテンボーンは、そうした状況にもかかわらず、今季F1参戦を開始したハースのように大規模自動車メーカー系チームの“Bチーム”となることでコスト削減を図ることをするつもりはないと主張するとともに、一部でささやかれているF1から撤退し、フォーミュラEやWEC参戦に転向するのではないかとのうわさも否定している。

「そういうことは想像できません。F1が私たちにとっては核となるビジネスですからね」

そう語ったカルテンボーンは、現在新たな出資候補者たちとの交渉を続けているところだが、まだ詳細は明かせないと次のように付け加えた。

「信頼に足る起業家は、署名押印がすべて完了するまではおおやけにはしないものです」

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