25日(月)と26日(火)の2日間にわたってF1公式タイヤサプライヤーであるピレリのウエットタイヤテストが開催された。フランスのポール・リカールで行われたそのテストに、ピレリはフェラーリ、レッドブル、そしてマクラーレンの3チームだけを招いていた。
2015年型フェラーリF1カーを使って26日(火)のテスト走行を担当したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、そのとき次のように語っていた。
「走行すれば、常に何かが学べるものさ」
現在のF1ルールではテストが厳密に制限されており、たとえ旧型車であろうと、人工的ウエット状態での新しいタイヤのテストであろうと、F1チームにとっては実車で走行できるチャンスはベッテルが言う通り非常に貴重なものであるはずだ。
当初、このピレリのウエットタイヤテストの概要が発表されたとき、そこに2年連続でF1チャンピオンチームとなったメルセデスAMGが含まれていないことに驚きを感じた関係者も少なくなかった。
メルセデスAMGはその際、2016年型車の開発のほうに集中できるため満足していると表明していた。
だが、このほどメルセデスAMGも参加したい旨をピレリに伝えてきていたことが明らかとなった。
結局、ピレリはメルセデスAMGからの申し出を丁重に断っていたようだが、これについてピレリのレーシングマネジャーを務めるマリオ・イゾラが次のように説明した。
「我々は最初からコース上に3台のクルマが走行している状態で十分だと分かっていた」
「もっと多くのクルマでテストを行っていたら、コース上にどういうふうにクルマが配置されているかに注意する必要があったからね」
「クルマは多くの水煙を発生するから、後ろを走るドライバーによるテスト結果をゆがめてしまうことになりかねないんだ」
そう語ったイゾラは、次のように付け加えた。
「メルセデスAMGも最初からフェラーリ、レッドブル、そしてマクラーレンが我々に連絡してきたことを知っていたよ。そして彼らはこう知らせてきたんだ。『もし我々が必要なら、よろこんで参加するよ。そうでなければ引っ込んでいるがね』とね」