F1第2戦マレーシアGP後にヘルムート・マルコ博士が予告したとおり、レッドブルは、第3戦中国GPに際してブレーキの供給会社を変えた。
もともと彼らの2015年型車にはヒトコ製のブレーキが装着されていた。フィーリングが合わないとして同社製品を嫌っていたセバスチャン・ベッテルがフェラーリに移籍。ヒトコを使わない理由がなくなったので採用を決めたのである。
ところがマレーシアで、このブレーキが大問題を引き起こす。そのためレッドブルは中国GP以降、ブレンボのブレーキを使うとマルコが明らかにしたものだ。
「2014年までのパーツ構成に戻すことにした」と語るのはチームの新ドライバー、ダニール・クビアトだ。「理論的な選択といっていいだろう。昨年はブレンボで何の問題もなかったからだ」
ダニエル・リカルドも同意見である。「製品が古いからといって、それが劣るとは限らない」
しかし、単にブレーキの供給会社を変えたからといってチームの特効薬にはならないだろう。
クビアトはいう。「マレーシアでは、とにかく速さが足らなかった。直線でもコーナーでもね」
「もっとパワーとグリップ、そして優れた冷却が必要だ」
クビアトのイラ立ちは理解できなくもない。昨年までの所属チーム、トロロッソからレッドブル移籍は彼にとって栄進のはずだった。ところが、そのトロロッソに先行を許しているのだ。
「トロロッソの成績は不思議でも何でもない」とクビアト。「僕らが後退してしまったからだ」
「トロロッソには優秀な人間が大勢いる。彼らはいいマシンを造り上げたよ。こんどは僕らが逆襲する番だ」