先週、長きにわたって責任者として君臨してきたルカ・ディ・モンテゼモーロの辞任が発表されたフェラーリだが、この革命的とも言える首脳交代劇によって現在のドライバーラインアップに影響が及ぶことはないようだ。
ドライバータイトルは2007年のキミ・ライコネン以来、そしてチーム別タイトルには2008年以降遠ざかっているフェラーリだが、新たなV6ターボエンジン時代の幕開けとなった今季もその低迷の度合いを強めている。こうした不振の責任を取る形で、前チーム代表のステファノ・ドメニカリやエンジン責任者であったルカ・マルモリーニらが更迭され、さらには会長であったモンテゼモーロまで辞任に追い込まれることとなった。
そうした中、この一連の組織再編成の動きは、現在のドライバーラインアップにも影響を与えるかもしれないとうわさされていた。
フェルナンド・アロンソについては、以前から来季ホンダと手を組むマクラーレンから大金でのオファーを受けているとうわさされていたが、今回モンテゼモーロの離脱に加え、長年最大の支援者であったサンタンデール会長の死去というショックも重なったことがフェラーリ離脱の引き金となるのではないかとのうわさを加速させている。
元F1ドライバーであり、現在は『BBC』の解説者を務めるアラン・マクニッシュは、「マルコ・マティアッチ(チーム代表)はフェルナンド・アロンソを残留させるために説得する方法を見つけなくてはならない」と述べ、次のように付け加えた。
「もし彼ら(フェラーリ)が、現在の問題を解決できると彼(アロンソ)を説得することができなければ、フェラーリがこの先どうなるか想像してごらんよ」
だが、フェラーリの親会社であるフィアット-クライスラー・グループの会長であり、今回モンテゼモーロの後をうけてフェラーリの会長も兼任することとなったセルジオ・マルキオンネはスペインの『El Mundo(ムンド)』に次のように語った。
「彼ら(アロンソとライコネン)は我々と一緒に続けていく。彼らはどちらもF1チャンピオンだし、2人とも我々のプロジェクトの中心に位置する非常に力のあるドライバーだからだ」
「我々が彼らにその才能にふさわしいクルマを与える必要があるだけだ。そうすれば彼らがまたトップに返り咲くことは疑う余地もないよ」
さらに、『Speedweek(スピードウィーク)』は、マルキオンネは財政面においても「フェラーリが必要とするものは何でも与える」ことを保証しており、それによってアロンソのマクラーレン-ホンダへの移籍を思いとどまらせることができるかもしれないと報じている。
こうした中、ライコネンのマネジャーであるスティーブ・ロバートソンは、ライコネンの母国フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に対し、一連のフェラーリの組織改革の中にあってもライコネンとしては今後もフェラーリで走ると次のように語った。
「キミの契約はモンテゼモーロ個人とではなく、フェラーリのレーシングチームと交わされているのだからね」