現地の不安定な情勢と治安状態が懸念されており、さまざまな議論を呼んでいるバーレーンGP(22日決勝)だが、今週その開催決行があらためて発表された。しかし、少なくとも3つのテレビ局は来週バーレーンの現地へ赴かないようだ。
『Blick(ブリック)』、『Bild(ビルト)』、そして『Times(タイムズ)』の3紙はフィンランドの『MTV3』、日本の『フジテレビ』、ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュラント)』が、騒乱状態の続くバーレーンに人員を派遣しないだろうと報じている。
「F1グランプリは国際的にとても大きな注目を集めるイベントだけに、問題が発生する確率はとても高い」と『MTV3』のスポークスマンは語り、次のように加えた。
「本当に残念だ」
「キミ・ライコネン(ロータス)が復帰したため、F1に対する関心はものすごく上がっている。しかし、われわれは身の危険を冒してまで現地へ行きたくはない」
その一方で、昨年までトロ・ロッソのドライバーを務め、今シーズンはレッドブルとリザーブドライバーの契約を交わしているセバスチャン・ブエミは、それほどのリスクはないと考えているようだ。
スイス人のブエミは、叔父と一緒にバーレーンに住んでいたことがある。そのブエミが『RMC Sport(RMC スポール)』に「僕の叔父は毎日仕事へ行っているし、子供たちを学校に連れて行ったりもしている。テレビに映っていることが現実とは限らない。現地に行ってみたらそれが明らかになるよ」と楽観的な意見を寄せている。
だが各メディアは、再びバーレーンのいたるところでデモが起こったと報じている。13日(金)には、ある抗議者が「F1は去れ、F1は去れ。やつらは冷酷に私の息子を殺した」と繰り返し訴えていたことも取り上げられた。
そんな中『AP通信』は、一部の抗議者が警察に向け火炎瓶を投げ付け、警察はそれに対し散弾銃で応戦したという物騒なニュースを伝えている。