レッドブル首脳の1人であるヘルムート・マルコが、世界的エナジー飲料会社のレッドブルが所有するオーストリアのレッドブルリンクにおいて複数のF1レースを開催することも可能だと語った。
新型コロナウイルスの大流行に伴い、全22戦の開催が予定されていた2020年のF1も現時点においてすでに開幕戦から第8戦までの延期もしくは中止が決まっている。
そして、うわさによれば第9戦として6月14日に決勝が予定されているF1カナダGPに関しても、間もなく同様の決定が下されるだろうと言われている。
だが、レッドブルでは7月5日に決勝が組まれている第11戦オーストリアGPに関しては、開催を前提として今後も新型コロナウイルスの状況を見守っていくつもりだとしている。
「世界にいるのは我々だけではないし、様子を見るしかないだろうね」
『Motorsport-Magazine.com』にそう語ったマルコは次のように続けた。
「我々が開催することができたとしても、そのほかのヨーロッパの国々において隔離期間なしでは誰も入国できないという旅行制限を継続していれば意味がないからね」
「全般的に状況はよくなりつつある。だが、現時点においては拒絶も約束もすることはできない
そう語ったマルコだが、オーストリアのシュピールベルクに位置するレッドブルリンクにはほかのサーキットとは違って非常に短期間でレースの準備ができるという利点があると次のように続けている。
「これがレッドブルリンクの強みなんだ。一夜にして用意が可能となる完成されたシステムがあるのさ」
「我々がまず知る必要があるのは、レースをやるのか、そしてそこに観客はいるのか、あるいは無観客なのかということだ。これらの問題は現時点では完全に未解決のままだ」
さらに、2020年にレッドブルリンクで2レース以上を開催することは可能かと質問されたマルコは次のように答えている。
「可能性はあるよ。我々にはすぐに使用可能なシステムがあるからね」
「それはリバティ(F1オーナーのリバティ・メディア)と交渉すべき事項だし、ヨーロッパのほかの部分がどうなるか次第だね」
同一サーキットでの複数グランプリ開催に関しては、すでにイギリスのシルバーストン・サーキットも対応可能だと表明している。
伝えられるところによれば、今後F1レースを開催することが可能な状態となればリバティ・メディアはできるだけ多くのレースを数か月の中に盛り込むことを検討しているようだ。
レース週末のアクティビティを土日の2日間に減らすことによりほぼ毎週のようにF1を開催する可能性や、ひとつのサーキットで2つのグランプリを実施する可能性なども検討されていると考えられている。