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【決勝レポート】波乱のレースを制したのはフェラーリ ホンダは10位フィニッシュ/F1イギリスGP

2018年07月09日(月)0:44 am

2018年F1第10戦イギリスGPが7月8日(日)、シルバーストン・サーキット(全長5.891km)で3日目を迎え、現地時間14時10分(日本時間22時10分)から行われた決勝でフェラーリのセバスチャン・ベッテルが優勝した。今季4勝目、通算51勝目。

●【画像:決勝レース結果】2018年F1第10戦イギリスGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■ポールシッターのハミルトンが1周目に最後尾に

レッドシグナルが消えてレースがスタートされると2番グリッドからスタートしたベッテルがポールポジションスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)をとらえて前に出る。ところが出遅れたハミルトンに3番グリッドからスタートしたキミ・ライコネン(フェラーリ)が接触。ライコネンは4番手に下がるが、ハミルトンはこれで一気に18番手にまで順位を落としてしまう。

一方、ピットレーンスタートとなったトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーにはトラブルが発生し、わずか1周でリタイアとなってしまう。

■ハミルトンが地元でオーバーテイクショーを展開

いったん最後尾付近にまで落ちたハミルトンだが、そこから鬼神のような走りを見せ、地元イギリスのファンの前でオーバーテイクショーを展開していく。一方トップに立ったベッテルは2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)とのギャップを開きながらレースをリードしていく。

レースが7周目に入ったころにはハミルトンがトップ10圏内にまでばん回。そしてライコネンに10秒ペナルティーが科されることが発表された。そして11周目に入るころにはハミルトンは3強チーム以外のドライバー全員を追い抜いて6番手にまで浮上する。

14周目にライコネンがピットイン。ここで10秒ペナルティーを消化したライコネンはミディアムタイヤに交換して10番手でコース復帰する。18周目には3番手を走行していた前戦オーストリアGPの覇者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がピットイン。フェルスタッペンもミディアムタイヤに交換してライコネンの前でコース復帰する。その次の周にはダニエル・リカルド(レッドブル)もタイヤ交換を行った。

■ルクレールはピット作業ミスでポイント獲得チャンスが消滅

ところがやはり19周目にピットに戻ってタイヤ交換を行ったザウバーのシャルル・ルクレールがコース復帰と同時にストップしてしまう。タイヤがうまく装着できていなかったためだった。ルクレールはピット作業ミスでポイント獲得のチャンスを失ってしまった。

21周目にはベッテルがピットイン。暫定トップに立ったボッタスも22周目にピットに入り、ここでまたベッテルがトップに浮上。そしてまだタイヤ交換を行っていないハミルトンが2番手の位置にまで浮上してきた。だが、メルセデスはその次の周に新しいタイヤに交換したボッタスをハミルトンの前に出し、ベッテルを追い上げさせる作戦をとる。

ハミルトンも26周目にピットに入り、ミディアムタイヤに交換。レースが後半に入る時点でのトップ集団はトップがベッテル、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手リカルド、5番手ライコネン、6番手ハミルトンの順となる。

■エリクソンのクラッシュでSC導入

30周目にはリカルドが2回目のタイヤ交換を行い、新品ソフトタイヤでレース終盤に臨む作戦をとる。ところが32周目にザウバーのマーカス・エリクソンがホームストレートエンドでコントロールを失い、ターン1の左バリアに激突するアクシデントが発生。ここでセーフティカーが導入された。

このタイミングでベッテルが1回ストップ作戦から2回ストップに切り替えてピットに入り、新品ソフトタイヤに交換する。フェラーリのライコネン、レッドブルのフェルスタッペンも同じ戦略をとるが、メルセデスの2台はそのままコースにとどまることを選択。これでボッタスが先頭に立ち、2番手ベッテル、3番手ハミルトン、4番手フェルスタッペン、5番手ライコネン、6番手リカルドというトップ6の並びとなった。

■リスタート直後に再びSC導入の荒れた展開に

38周目にレースが再開されるとフェルスタッペンとライコネンがサイド・バイ・サイドとなりながら激しい4番手争いを繰り広げる。いったんはライコネンに先行を許したフェルスタッペンだが、すぐにまた抜き返して順位を守ることに成功する。

ところがここでカルロス・サインツ(ルノー)とロマン・グロージャン(ハース)がクラッシュ。再びセーフティカーが導入されてしまう。

42周目にレースがリスタートされると、新品ソフトタイヤにはきかえたベッテルがすでに20周ほど周回したミディアムタイヤで走行を続けるボッタスの追い上げを開始。その後ろでは43周目にライコネンがついにフェルスタッペンをとらえて4番手に浮上する。

46周目に入ったところで5番手を走行していたフェルスタッペンがスピン。フェルスタッペンはその後コースに戻ったものの、どうやらトラブルが発生していたようでその後またコース脇にクルマを止めてしまい、ここで無念のリタイアとなってしまった。

■ベッテルがボッタスを攻略、ハミルトンも2番手浮上

47周目にタイヤのアドバンテージを生かしたベッテルがついにボッタスを攻略してトップの座を奪い返すことに成功。するとメルセデスはここでハミルトンをボッタスの前に出すチームオーダーを発令。ポイント差の拡大を最小限にとどめる作戦に出た。

しかしタイヤがかなり苦しくなったボッタスは3番手の位置をキープできず、ライコネンにオーバーテイクされた4番手に下がってしまう。

レースが残り2周となったところで11番手を走行していたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーがフォース・インディアのセルジオ・ペレスをかわして10番手に浮上する。だがこのとき2台が接触しており、レース後に審議対象となることがアナウンスされた。

結局レースはそのままベッテルが先頭でチェッカーを受けて今季4勝目を達成。2位でレースを終えたハミルトンはイギリスGP最多勝利記録の更新はならず、ベッテルとのポイント差も8に開いてしまった。3位にはライコネンが入り、第8戦フランスGP以降3戦連続で今季通算6回目の表彰台に上った。

■決勝トップ10ドライバー(暫定)

優勝/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2位/ルイス・ハミルトン(メルセデス)
3位/キミ・ライコネン(フェラーリ)
4位/バルテリ・ボッタス(メルセデス)
5位/ダニエル・リカルド(レッドブル)
6位/ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
7位/エステバン・オコン(フォース・インディア)
8位/フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)
9位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
10位/ピエール・ガスリー(トロロッソ)

次戦2018年F1第11戦ドイツGPは7月20日(金)の現地時間11時(日本時間18時)に開幕。決勝は7月22日(日)の現地時間15時10分(日本時間22時10分)にスタートする。

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