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シューマッハの事故捜査当局、会見で詳細報告

2014年01月09日(木)16:26 pm

ミハエル・シューマッハのスキー事故を調査しているフランスの捜査当局が、フランスのアルベールビルで8日(水)にその操作内容についての記者会見を行った。ヘルメットの装着されたカメラ映像の分析に時間がかかることを明かす一方で、ほかの映像については証拠にするのを保留とした。また、シューマッハが装着していたスキーに異常はなかったと会見で語っている。

その記者会見の席上、今回の捜査の責任者であるパトリック・キャンシーは、事故の目撃者やシューマッハの治療に当たっている医師など、さまざまな関係者からの聞き取り調査を行うなど、調査が「順調に進展」していると語った。

また、キャンシーは事故が発生したときにシューマッハのヘルメットに装着されていたカメラの映像を確認したことも明らかにしたものの、さらにそれを1コマごとに詳細に分析するため、もっと時間が必要であるとし、次のように語った。

「我々は撮影された映像の検証を行った。その映像は非常に鮮明であり、非常に多くの情報が得られた。また、少なくとも、これまでに得ていた情報を確認することができた」

「我々はもう一度その状況を再現するために、その映像を利用することができるだろう。それにより、シューマッハ氏が実際にどういう経路をたどっていたかが判明すると思う」

今後、スキーガイドを務める者を含む専門家や警察官も映像に目を通し、実際に何が起こったのかを特定する作業に入ることになるという。

すでに分かっていることは、シューマッハは、標高2,700メートルの地点にあるフランスのメリベルのスキーリゾートにおいて、12月29日(日)の午前11時ごろに2つのゲレンデの間に位置するコース外の部分へ入り、そこで岩にぶつかってバランスを崩したということだ。

捜査当局によれば、シューマッハが岩にぶつかったところは、コースからわずか3~6メートル外れたところだという。そしてシューマッハが頭をぶつけた2番目の岩は、コースから8メートル離れたところにあったとしている。

現地警察の責任者であるステファン・ボゾンは、次のように説明した。

「シューマッハ氏は実際に非常にスキーがうまく、彼はメインコースの境界よりも上の部分の左側を滑っていた」

「彼はもっと傾斜のついたスロープを滑っていた。そのため、そこではある程度のスピードが出ていた。彼は減速しようとしたが、そこにはいくつかカーブがあり、彼が進んだ方向に向かってパラレル(ターン)の跡が残されていた」

「実際に時速何キロメートルで滑っていたかは判断できない。その数値を正確に判断することはできないが、彼は緩やかなカーブにおいては非常にうまいスキーヤーだったが、そこはコース外だったため、うまく減速することができなかったようだ。スロープのライン上にとどまっているべきだった」

ゲレンデにおいて、滑走可能エリアが正しく明示されていたかどうかによっては、訴訟問題となる可能性もある。だが、警察では今回はそうした事案となるとはみなしておらず、スキー場の標識などはフランスの基準にのっとっていたとしている。キャンシーはこれに関し、次のように語った。

「ご承知のように、フランスでは、標識や警告に関する情報などに関してはいろいろ規範や基準が定められている。そして、我々が確認できたことは、それらの基準は守られていたということだ」

さらに、捜査当局は、シューマッハが装着していたスキーにも異常はなかったとしている。

「スキー板が今回の事故原因となったのではないと言える」と語ったボゾンは次のように続けた。

「固定装置はいい状態だったが、岩の表面でこすった跡があった。つまり、スキー板は岩の表面に接触したことで損傷を受けていたものだ」

ドイツの『Der Spiegel(シュピーゲル)』紙は、シューマッハのヘルメットに装着されていたカメラによるもの以外の映像もあるとしている。だが、捜査当局はこれを証拠として参照することは「保留」しているとし、その証拠としての信ぴょう性に関して「かなり疑わしいと感じている」と語った。

また、キャンシーは、彼の部署では毎年50件ほど同様の事故調査を行っているということも明らかにしている。

かつて7度F1チャンピオンに輝いたシューマッハは、以前として人工的昏睡(こんすい)状態に置かれたまま、8日には事故から10日目を迎えている。

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