メルセデスAMGの非常勤会長職にあるニキ・ラウダが、チームは規則違反に関して「有罪」だとみなされたわけではないと主張した。
メルセデスAMGは先週行われたFIA(国際自動車連盟)の国際法廷により、7月にシルバーストンで行われる若手ドライバーF1テストの禁止処分並びに、5月にピレリとともに2013年型車およびレースドライバーによる秘密テストを行っていた件に関して、公式に戒告処分が申し渡されている。
だが、かつて3度F1タイトルを獲得した伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、オーストリアの放送局『ORF』に対し、「ルール違反はなかったんだ」とコメントし、次のように続けている。
「われわれは警告を受けただけだ。それもイエローカードみたいにレッドカードへとつながるようなものではない。われわれは若手ドライバーテストからは除外されたが、それは問題なく受け入れられる裁定だ」
ラウダは、国際法廷が今回の裁定を下すにあたっては、それまでの数日間メディアの見出しを賑わせていた政治的陰謀とは対照的に、このスポーツ(F1)のことを念頭に置いていたと語った。
「ああいった策略や報道はすべて公平なものではなかった。われわれがあのテストを行うに至った経緯という意味では、すべてが正しく行われていたからだ」
それゆえラウダは、たとえばレッドブルが1億ドル(約97億円)の罰金と、コンストラクターズポイントの大幅なはく奪を望んでいると報じられたように、メルセデスAMGの姿勢に対して強く非難する声があることに対し、強く抗議している。
「レッドブルはすごく積極的にこの筋書きを立ててきたし、そのために都合よく解釈できることはすべてそういう解釈を行っていた」
「パドックにはいろんなものがうごめいている。だが、FIAの法廷は裁判だし、あれはルール違反ではなく、さまざまなレギュレーションの解釈が違っただけだという明確な判断をしたんだ」
しかしラウダは、今年のF1がタイヤによって支配されているという状況について、もうピレリではそのタイヤを調整することはできないだろうと次のように続けた。
「彼ら(ピレリ)は、モントリオール(第6戦F1カナダGP)に新しいタイヤを持ち込みたかった。そして次にはシルバーストン(第7戦イギリスGP/6月30日決勝)にはと考えていたが、今ではそれもできなくなった」
「だから、よくあることだが、もしシルバーストンがかなり暑くなったとしたら、ピットインの回数が増えるという問題がまた継続されることになるだろう」
現在、タイヤを変更するためには事前に全F1チームの合意がなくてはならないとするルールがあるが、ラウダはそのことに触れながら次のように続けた。
「このルールが理解できないね」
「もしピレリが、タイヤを変えたほうが自分たち(ピレリ)のためでもあり、クルマにとってもいいし、全員のためになる、だからタイヤを変えたい、と言ったとしても常に誰かがノーと言うんだ」
「だから、このルールは最悪だよ」とラウダは付け加えた。