フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』でF1解説者を務めるオッシ・オイカリネンが、もしアルファロメオが手を引いてもザウバーはF1を継続していけるだろうと語った。
オイカリネンはかつてトヨタ、BMWザウバー、フェラーリなどでエンジニアを務めていた人物だ。
F1アメリカGPが開催された先週末のオースティンでは、アルファロメオがF1活動から撤退する可能性があるようだとのうわさがささやかれていた。
2018年にアルファロメオロメをタイトルスポンサーとして迎えてアルファロメオ・ザウバーという名称でエントリーしていたザウバーだが、今年はアルファロメオがザウバーのネーミングライツを買い取り、アルファロメオ・レーシングという名称でエントリーを行っている。
実際のところ、チームの実体はスイスに本部を置くザウバーで変わっておらず、名称がアルファロメオに変わっただけだ。
しかし、キミ・ライコネンというベテランドライバーと若手のアントニオ・ジョビナッツィというランアップで臨んだ今季だが、現在のところコンストラクターズランキングは8番手にとどまっている。
同じく不調のハースが9番手に位置しているものの、アルファロメオとハースの差は2レースを残す段階でわずか7ポイントであり、今後ハースに逆転されて9番手に落ちる可能性もある。
こうした状況を受け、アルファロメオがザウバーとの関係を打ち切るのではないかとのうわさがささやかれるようになったわけだ。
もともとアルファロメオがザウバーのタイトルスポンサーとなったのは当時アルファロメオを傘下に置くフィアットの最高責任者であったセルジオ・マルキオンネが積極的に働きかけたものだった。そのマルキオンネが2018年7月に急逝したこともあり、アルファロメオを取り巻く環境にも変化が生じてきたとしても不思議ではないだろう。
そのうわさについて質問されたオイカリネンは次のように答えた。
「こうしたうわさの背後に何があるのかは分からない」
「だが、仮にアルファロメオが去ったとしても、私はチーム(ザウバー)がなくなるようなことはないと思っている。彼らは以前と同じように続けるだろう」
オイカリネンは、2021年からはバジェットキャップ(F1チーム予算上限値設定)が導入されることもあり、ザウバーも十分に生き残っていけるはずだと考えているようだ。
「多分、それが今後に向けて彼らの希望となるんじゃないかな」
そう語った49歳のオイカリネンは次のように付け加えた。
「もしF1チームが厳しく予算を制限されることになれば、それはザウバーにとってはいいことだ。彼らはこれまで常に小予算だったものの、少ない人員でいいクルマを開発してきたからね」