メルセデスが2019年からフォーミュラEシリーズに参戦することが発表されたが、そのチームの代表職に就く候補者としてニコ・ロズベルグの名前があげられている。
今週、ドイツを代表する自動車メーカーであるメルセデスが2018年限りでDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)から手を引き、翌2019年からフル電動フォーミュラカーによる世界選手権として知られるフォーミュラEに参戦することを発表した。
■フォーミュラEのチームリーダーに2人目のF1チャンピオン登場か
そして、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』がこのほど報じたところによれば、2016年に初のF1タイトル獲得とともに引退してしまったロズベルグがメルセデスのフォーミュラEチームの有力な代表候補者となっているという。
『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、ロズベルグの関係者がメルセデスの新フォーミュラEチームの管理的業務にかかわる可能性は否定できないと認めたと報じ、次のように付け加えている。
「ロズベルグはすでにシリーズの最高責任者であるアレハンドロ・アガグとモナコで会っていた」
もしそれが事実であれば、ロズベルグはフォーミュラEチームを運営する2人目のF1チャンピオンということになる。もちろん、1人目はルノーEダムスの共同設立者としてチームを率いているアラン・プロストだ。
■メルセデスのフォーミュラE参戦を歓迎するプロスト
現役時代には4度F1チャンピオンとなった実績を持つプロストは、今週末にフォーミュラEのレースが開催されるカナダのモントリオールにおいてメルセデスの参戦を歓迎すると次のように語った。
「自動車会社が加わることは大きなメッセージになるからね」
2014年に産声をあげたフォーミュラEだが、その後めざましいほどの発展を続けてきている。シリーズ発足当初は世界的自動車メーカーとしてはルノーとアウディしか関与していなかったものの、その後ジャガーがこれに加わり、2019年からは現F1チャンピオンメーカーであるメルセデスもチームを送り込むことになる。
最近、イギリスが2040年以降化石燃料を使用する内燃機関を搭載する自動車の販売を禁止することになったと報じられたが、自動車の電化が今後さらに加速することになるのは間違いない。そうした時代の流れを受けてモータースポーツでのハイブリッド化や電化も一層加速していくことになりそうだ。
■フォーミュラEがF1を超える日が来るのを望んではいない
だが、そのうちF1に代わってフォーミュラEが世界最高峰モータースポーツとなる日が来ると思うかと質問されたプロストは、『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』に次のように答えた。
「いや、私はそうは思わないね」
「そうした状況が起こると信じるだけの理由などないし、そうなって欲しいという望みさえないよ」
「フォーミュラEがこれだけの信頼を得ることができたのは、レースがニューヨーク、パリ、そして今回のモントリオールのような大都市で行われることもその理由のひとつにあげられると思うよ」
現在ルノーF1チームの特別アドバイザー職にも就いているプロストはそう語ると次のように付け加えた。
「それが、F1よりも目を引くための手段でもあるからね」