レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、現行のパワーユニットよりもかつてのV10あるいはV12自然吸気エンジンのほうがF1にはふさわしいと考えているようだ。
FIA(国際自動車連盟)主催による2021年以降のF1エンジン検討会議が3月31日(金)にパリで開催され、基本コンセプトに関して参加者の合意が得られたと伝えられている。
FIAが出した声明によれば、2021年以降も現行のハイブリッド方式パワーユニットを踏襲することになるものの、より「パワフル」かつ「シンプル」で開発・製造コストがあまりかからない「安価」なものが目指されるほか、その「サウンドの改善」も試みられることになっているようだ。
だが、ファンばかりでなく、ドライバーの中にも、複雑なハイブリッド方式パワーユニットではなく、かつてのV10あるいはV12自然吸気エンジンの復活を望む者も少なくはないと考えられている。
例えば、2015年に17歳の若さでF1デビューを飾ったフェルスタッペンもその1人だ。
■今のF1エンジンは複雑過ぎる
フェルスタッペンは母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。
「今のエンジンは複雑過ぎて、ほかのメーカーは参入しようとさえ考えていないよ」
「ホンダだってあれほど苦しんでいるじゃないか。80年代から90年代にかけて圧倒的な強さを誇っていたのにね」
「僕たちがもうハイブリッド技術みたいなものから逃れられないということは理解しているよ。だけど、常にメーカーが参入できるものでなくてはならないよ。低予算でもね。そうすればF1だけでなく自動車産業全体にとって利益があるはずだよ」
■ファンを魅了するF1エンジンとは?
フェルスタッペンは、F1をもう一度魅力的なものにするには、やはりV10やV12の復活が望ましいと考えているようだ。
「僕はV10エンジンのようなものになればすごくうれしいだろうと思うよ。いい音がするやつにね」
『Motorsport.com』にそう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えている。
「(現在のエンジンも)クルマに乗っているときはいいよ。だけど、ファンにとってはそれほど魅力的なものではないと思うんだ。V10とかV12に比べるとね」