20日(水)に、チームメートであり現在のポイントリーダーであるルイス・ハミルトンのF1モナコGP(24日決勝)予選に向けた戦略を耳にしたニコ・ロズベルグが、みけんにしわを寄せたと伝えられている。
1年前のモナコGP予選では、最初に暫定ポールタイムをたたきだしていたロズベルグが、2回目のアタックの際にミスを犯してコースオフ。その後ろから最速タイムを刻みながら走行していたハミルトンだが、そのロズベルグのミスによって黄旗が振られてしまったことからタイム改善のチャンスを失ってしまった。
これによりポールポジションはロズベルグが獲得することが決定したが、ハミルトンはそのときロズベルグが故意にミスを犯して自分の走行を妨害したのだと激しく非難。それ以後2人の関係が急速に悪化したのは有名な話だ。
そして、ハミルトンは、今年のモナコでの予選Q3では、自分のほうがロズベルグより前でアタックすることが認められたと20日(水)に次のように語っていた。
「今年は僕が選択することができるからよかったよ」
「去年のようなことは起こらないという自信があるし、プレッシャーなんて全然感じていないよ」
だが、ハミルトンのほうに予選戦略の決定権があると聞かされたロズベルグは、まゆをひそめながら『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「それは面白い話だね。去年起こったことを考えれば、その判断には理解ができるけれどね」
一方、同じ20日にはメルセデスAMGがハミルトンと新たな3年契約をむすんだことが発表されたが、報じられているところによれば、その報酬額はロズベルグの受け取る金額をはるかに超えるものだとされている。
ロズベルグは、この件についても理解ができるのだろうか?
「僕は自分の契約に満足しているよ」
そう主張したロズベルグは、次のように続けた。
「僕もメディアで報じられている(ハミルトンの契約)金額については読んだよ。だけど、僕の個人的経験から、こうした数字が実際とはかけはなれていることがよくあるということも知っているんだ」
ロズベルグはさらに、いかにハミルトンが高額な報酬を受け取ることになろうとも、それによって自分が「ナンバー2」の位置に下ることはないという自信があると次のように続けた。
「チームは今後も僕たちを公平に扱うよ。そうでなければうまくいかないからね。僕たちに常に同じチャンスを与えられるよう、チームもすごく懸命に取り組んでくれているよ」
2013年、2014年とモナコで連勝を飾ったロズベルグ。今週末の決勝では3連覇にチャレンジすることになる。