2015年のF1参戦に向けて必死の取り組みが続けられているマノー(旧マルシャ)だが、参戦の可能性が高くなってきていることにより、そのドライバーとなるべく、候補者がマノーのドアの前に並び始めているようだ。
まだ、マノーが2015年シーズンに復帰できることが確定しているわけではない。だが、イギリスのディニントンに移された本部ではスタッフの数も増え、2014年型車を2015年のルールに合わせて改造する作業が必死に進められている。
そのF1カーは、今後F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)によって義務付けられているクラッシュテストに合格しなくてはならず、その後すぐに開幕戦オーストラリアGP(3月15日決勝)が行われるメルボルンへと移送しなくてはならない。だが、その輸送期限は今週金曜日(6日)であり、残された時間は短い。
マノーではその前日の5日(木)にFIAのクラッシュテストを受ける予定だとされているが、万が一ここで不合格になった場合には、メルボルンの開幕戦出場がほぼ絶望的となる。
■有力候補にマクラーレンのマグヌッセンとファンドールネ
そうした状況ではあるものの、マノーではすでに昨年の最終戦アブダビGPでケータハムからF1デビューを飾ったウィル・スティーブンスとドライバー契約を結んだことが明らかとなっている。だが、昨年F1出走に必要なスーパーライセンスを取得してレースに臨んだスティーブンスではあるものの、FIAが発表した最新のエントリーリストによれば、スティーブンスについてはあらためてスーパーライセンスの発給が条件であるとされている。
ともあれ、スティーブンスとともに、もうひとつのマノーのシートに座る可能性が高いとうわさされているのが、マノーとの技術提携契約を継続することが明らかとなったマクラーレンのリザーブドライバーであるケビン・マグヌッセンと、テストドライバーのストッフェル・ファンドールネだ。
「可能性は否定しないよ」と語ったマグヌッセンは、「でも、それほど熱心ではないけれどね」と付け加え、次のように続けた。
「もちろん、僕の目標は再びレースに出ることだ。でも、そのためには最善のチャンスをつかみたいんだ。僕はマクラーレンと一緒にやるつもりだからね」
今年のマグヌッセンの役割は、マクラーレンのリザーブドライバーとしてすべてのレースに同行することだ。だが、元マクラーレンのドライバーであった父親のヤンとともにル・マン24時間に出走するチャンスも探っていると伝えられている。
「実際、父にコルベットに空きのシートがないかどうか確認してくれるよう頼んだよ」とマグヌッセンはほほ笑みながら語った。
■ヴァン・デル・ガルデとメルヒの名前も
そのほかの候補者として、フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』が挙げているのが、ギド・ヴァン・デル・ガルデだ。
2013年にはケータハムのドライバーを務め、昨年はザウバーのリザーブドライバーとなっていたヴァン・デル・ガルデに関しては、昨年、ザウバーとの間に2015年のレギュラードライバーとしての契約を結んでいたと報じられていた。しかし、ザウバーはその後マーカス・エリクソン(元ケータハム)と、ウィリアムズで控えドライバーを務めていたフェリペ・ナスルと契約を結び、ヴァン・デル・ガルデのF1復帰の望みは絶たれていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ヴァン・デル・ガルデはザウバーに対して訴訟を起こすことで、そのシートを取り返すことを狙っていると報じている。
しかし、そのヴァン・デル・ガルデは今、スポンサーであるマグレガ-とともに、マノーのシート獲得に動いているとされている。
さらに、スペインの『AS』は、マノーのもう1人のドライバー候補としてロベルト・メルヒの名前を挙げている。メルヒは昨年、やはり経営破たんに陥ったケータハムと契約を結び、何レースかで金曜フリー走行に出走していた経緯がある。
そのメルヒについて、『AS』は「そのスペイン人(メルヒ)とチーム(マノー)の交渉がかなり進んでいることは明らかだ」と伝えている。