2014年シーズンには圧倒的な強さを誇り、ほかのチームに付け入るスキを与えなかったメルセデスAMG。F1関係者の間にも、2015年もメルセデスAMGの優位は動かないだろうという見方が支配的なのは間違いない。
だが、メルセデスAMGの非常勤会長のニキ・ラウダは2015年シーズンに向けて不安を抱いていることを隠しきれない。とりわけ、今年は2月中に行われるシーズン前テストがスペインでのみの開催となることがその不安を強めているようだ。
「ブラックリー(メルセデスAMGの本部)の誰もがストレスを感じているよ」
かつて3度F1チャンピオンとなった経歴を持つ伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、オーストリアの『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』にそう語ると次のように続けた。
「(心配なことが)たくさんあるんだ。今年は昨年とは違って暑いバーレーンでのテストがないのが気に入らないよ」
「スペインだと、2月には気温が低すぎるよ。そして、そのまま暖かなメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)に向かわなくてはいけないんだからね。このスケジュールは理解ができないね」
ラウダはさらに、2015年シーズンに向かうにあたり、本来は3月以降のエンジン開発が凍結されるはずだったものが、ルールの抜け穴が発見されたことにより、すべてのメーカーにシーズン中にも一定の開発が認められることになった件に関しても次のように言及した。
「新たに参入してきたホンダもほかのメーカーと同じ位置に置かれることを望んでいる。それについては、私は理解ができるよ。公平性という理由からね」
だが、その言葉の裏には、もともとのルールにのっとってすべてのエンジンサプライヤーのエンジン開発が3月以降は凍結されるほうがメルセデスAMGにとっては有利だったという思いもあるようだ。