現在開催されている今季のF1第5戦スペインGP(11日決勝)において、金曜日のフリー走行1回目をテストドライバーのフェリペ・ナスルに譲ったバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)だが、どうやら今後もこういう形となるケースが続きそうだ。
ウィリアムズのテストドライバーであるブラジル人ドライバーのナスルが今年初めてボッタスのクルマを使って金曜日のフリー走行1回目を担当したのは第3戦バーレーンGPでのことだった。
そして、続く第4戦でも、再びボッタスはナスルに金曜フリー走行1回目にステアリングを譲っている。さらに、シルバーストン(イギリスGP/7月6日決勝)やホッケンハイム(ドイツGP/7月20日決勝)では、やはりテストドライバーであるスージー・ヴォルフがフリー走行1回目に登場し、そこでもボッタスはまたガレージから自分のクルマの走りを見つめることになると考えられている。
しかし、ウィリアムズでテストドライバーにチャンスを与えるのはボッタスだけで、チームメートのフェリペ・マッサが自分のクルマをテストドライバーに貸し出すことはない。その理由について、ボッタスは母国フィンランドのテレビ局『MTV3』に次のように説明している。
「それは、僕たちの契約内容によるものなんだ」
「片方の契約ではそれ(テストドライバーとの交代)を認めることになっているし、もうひとつのほうはそうはなっていないということさ」
つまり、ボッタスの契約には金曜フリー走行1回目をほかのテストドライバーに譲ることを認める条項が記載されているものの、マッサの契約にはそういう条件は織り込まれていないということだ。
しかし、ボッタスは必ずしもこうした状況を苦々しく思っているわけでもなさそうだ。というのも、彼自身も2012年には同じような扱いを受けていたからだ。当時ウィリアムズではブルーノ・セナがドライバーを務めていたが、ボッタスは定期的にセナに代わって金曜フリー走行1回目で走行を行っていたのだ。
ボッタスは、次のように締めくくっている。
「もちろん、若手ドライバーはチャンスが与えられればいつでもF1カーをドライブしたいと思っているからね」