フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は単に契約を延長・拡大しただけかもしれないが、ある専門誌によれば、これは戦略的な大成功かもしれないという。
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『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、かつての2度のチャンピオンが2025年だけでなく2026年もアストンマーティンにとどまる動機を説明した時、ホンダとアラムコという言葉を「何度も何度も」使ったと指摘している。
2025年のF1レギュレーションは基本的に何も変わらないが、2026年のレギュレーションは根本的に変わり、ホンダはワークス・パワーユニットのサポートをレッドブルからアストンマーティンに切り替える。
■アストンマーティンの切り札はアラムコか?
しかし、シルバーストーンを本拠地とするアストンマーティンの切り札は、タイトルスポンサーでありワークス燃料サプライヤーでもあるサウジアラビアの国営石油会社アラムコだという。
2026年からは、根本的に異なるパワーユニットを100%合成燃料で走らせなければならない。
トビアス・グルーナー記者は、そのために「ガソリン・パートナーのノウハウがこれまで以上に重要になる」と指摘する。
また、2026年に向けてパワーユニットの電気エレメントが大幅に増強される一方、内燃エンジンは「そのため、時には発電機のように機能する」ことになる。「そうでなければ、全体的に約1000馬力のパワーの半分が不足することになる」とグルナーは説明する。
同時に、2026年のルールでは、クルマが搭載できる燃料の量がさらに削減される。
「つまり、使用する燃料の品質がますます重要になる」としてグルナーはこう続けた。
「研究所やテストベンチでの燃料開発はすでに本格化している」
「専門家たちは、アラムコが有利な状態で新時代に突入すると予想している。アラブの石油会社は、新しいレギュレーションが策定された時、すでにFIAを燃料サンプルで支援していた」
「アラムコはまた、すでにF2とF3で使用されているeフューエル(燃料)も供給している。国営企業はこのプロジェクトに巨額の投資を行っている」
「eフューエルの分野で先駆的な役割を果たすため、サウジアラビアとスペインではすでに開発・生産施設が設置されている。この計画が最終的にアロンソのためになるかどうか、興味深いところだ」とグルナーは締めくくった。
■燃料サプライヤー競争が勃発か
F1の最高技術責任者であるパット・シモンズの言葉を『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。
「我々は燃料サプライヤー間の競争を生み出したいと考えている」
「しかし、より良い燃料を手に入れたからといって、誰かが完全に支配してしまうようなことは避けたい」と語っている。