レッドブルF1のヘルムート・マルコ博士は、2025年のドライバー選びについて夏まで延期すると語った。
昨年以来、セルジオ・ペレス(レッドブル)に代わる有力候補にはダニエル・リカルド(RB)が挙げられていた。しかし、今年に入ってリカルドはチームメイトの角田裕毅(RB)に明らかに遅れている。
マルコは、角田裕毅は「成長した」と主に精神面での成長を評価する一方で、F1優勝経験のあるリカルドは精神面の問題で自信を失っているだけとしてもうしばらく見守る姿勢を示した。
リカルドのスター性は失われつつあるが、それは他のレッドブルF1関係者と同様に、メキシコの強力なスポンサーが支援するペレスが、2025年の再契約を確保するのに十分な働きをしていることをリカルド自身も理解しているからだと考える者もいる。
『New Zealand Herald(ニュージーランド・ヘラルド)』紙は、不振のリカルドはあと2レースだけだと報じ、代わりにニュージーランド人のリアム・ローソンがシートに復帰する可能性があると主張したが、マルコはこれを否定した。
■マルコ、角田はさらなる成長が必要
レッドブルのドライバー候補が注目を集める中、マルコは序盤の3戦を終えて来季のドライバー選びについてこう明言した。
「来年のラインナップ決定は夏まで延期された。しかし、もし角田を考慮するのであれば、彼はもっと成長しなければならない」。
マルコ博士はフランツ・トスト元代表とともに角田裕毅のポテンシャルを「信じ続けて」いて、「彼の問題点は、コントロールの欠如、感情の爆発、そしてミスを犯す傾向だった。それらは今シーズン全てなくなった」と4年目の序盤の3戦で見せた成長を高く評価している。
中団争いのRB F1に求められるのは予選トップ10圏内やポイント獲得だが、チャンピオンを争うレッドブルのシートでは表彰台以上を求められ、直接のライバルもフェラーリになるなど今のRBよりも手強い相手となり、1つのミスも許されない。
レッドブルでは今よりもっと強いプレッシャーの中での速さと安定感が求められるが、角田が序盤で見せた成長が一時的なものなのか、本当に成長を遂げたのか、夏までの前半戦で見極めたいという思いがあると考えてもおかしくない。若くて速い23歳の角田がRBで安定した結果を残し続け、ホンダの強力なサポートを得られれば、来年35歳になるペレスに代わってレッドブル昇格も実現するだろう。