パワーユニットをレッドブルF1へ供給するホンダ・レーシング(HRC)は、レッドブルの斬新なコンセプトを「最近まで知らなかった」と明かした。
2024年2月27日(火)、ホンダおよびホンダ・レーシング(HRC)は記者会見を開き、今年の意気込みなどをメディアに向けて発表したが、その中で、レッドブルF1の過激かつ挑戦的なコンセプトについて「我々もつい最近まで知りませんでした」と明かした。
前任の浅木泰昭氏から引き継いだF1プロジェクトLPL(開発総責任者)の角田哲史(かくだてつし)氏によると、HRCからレッドブルF1側へ伝えているのはPUに必要な様々な数値のみで、もちろんその中には冷却に関する数値も含まれているという。
レッドブルとのミーティングでは、車体コンセプトを変えるということについて一切相談はないということだ。PU側が必要としているだけの空気をどのように取り込むかは車体側の判断によるものだという。
エンジンに送り込む空気をドライバー頭上のインダクションポッド(写真:水色の枠)から取り入れているのは変わらないという。この理由はフロントウィングやタイヤなどで気流が乱れず前方から計算した量が取り込めること、路面から最も高い位置にあるため路面温度よりも冷えた空気を取り込めることがあるという。
■攻めたデザイン、これがF1だ
重要なパートナーのHRCにも秘密にしていたレッドブルF1の斬新な3つのインレット(写真:緑色の枠)だが、プレシーズンテストを終えてもPU側には「問題なし」と角田氏は報道陣に明かしている。
「レッドブルは昨年あれだけ圧倒したクルマがあるのに、大幅にコンセプトを変えてより攻めたデザインにしていきていますけど、まさにこれがF1だと思いましたし、レッドブル・レーシングが本当にチャンピオンに相応しいチームだと改めて感じました」
HRCとしては「準備は万端」ということだ。