ルイス・ハミルトンが出ていった後もメルセデスはF1の勢力として成長できると元F1ドライバーのハンス・ヨアヒム・シュトゥックは考えている。
■ハミルトンが自分のスタッフを連れて行く?
7度のワールドチャンピオンに輝いたハミルトンが2025年に向けてフェラーリに移籍することを決めたのは、メルセデスのタイトル獲得能力に対する信頼を失った証拠だと考える者もいる。
メルセデスにとってさらに悪いことは、ハミルトンは現レースエンジニアの愛称“ボノ”ことピーター・ボニントンなど、メルセデスのトップスタッフたちをマラネロに連れて行くと見られている。
ボニントンの離脱の可能性について聞かれたメルセデスのボス、トト・ヴォルフは、「これは今後数カ月の間に全員が議論する必要があると思う」と認めた。
また興味深いことに、メルセデスは昨年半ばにパフォーマンスエンジニアのロイック・セラをフェラーリに獲られている。彼は「ガーデニング休暇」に入っており、ハミルトンとまったく同時期にマラネロで働き始めると考えられている。
さらに、ハミルトンのもうひとりのエンジニア、リカルド・ムスコーニも2025年に向けてフェラーリに移籍すると言われている。
■メルセデスF1には一流の人材が多くいる
メルセデスのF1タイトル挑戦者としての地位の終わりの始まりのように聞こえるかもしれないが、ドイツの伝説的なレーシングドライバーであるシュトゥックはそれを信じていないようだ。
「私はそうは思わない」と彼は『Eurosport Dutschland(ユーロスポーツ・ドイッチュラント)』に語った。
「メルセデスは一人の人間に何も依存しないチームだ。エンジニアの知識は社内に知れ渡っているから、交代は問題ではない。私はそれが問題だとは思わない」
「ハミルトンは確かに助かるだろうが、メルセデスにはまだ一流の人材がいて、さらに多くの人材を見つけるだろう。このような変化は常に起こっていることだ」とシュトゥックは付け加えた。