アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は、2025年のメルセデスF1のシートが空いたことで、ドライバー移籍市場においてF1で最も注目されている人物の1人とされているが、ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表は手放すつもりはないようだ。
■レッドブルはアルボンに3年契約を提示か
昨年印象的な走りを見せ続けたイギリス生まれのタイ人ドライバーであるアルボンは、ルイス・ハミルトンがフェラーリへ移籍することで2025年のメルセデスのシートが突然空席になったことから注目されており、実際に2025年から古巣レッドブルから3年契約を提示されたといううわさが浮上した。
しかし、ヘルムート・マルコ博士は「チェコがいいシーズンを送れば、2025年のラインナップが同じになる可能性は高い」と『sport.de(スポーツ・ドット・デ)』に語った。
また、マルコ博士は、ハミルトンがフェラーリへ電撃移籍するという爆弾発言について「今のF1で起こりうる最高の出来事」だと断言している。
そしてこれは、今年でウィリアムズとの契約が切れると言われていたアルボンにとっても、非常に良いニュースのように見えた。
■アレックスは2025年末までウィリアムズと契約している
しかし、ボウルズ代表は新カラーリング発表会で「アレックスは2025年末までウィリアムズと契約している」と明かし、アルボンに関するその他のうわさは「せいぜい憶測だ」と語ったとフランスの『L'Equipe(レキップ)』紙は報じた。
アルボンとの2025年契約については「公表する必要がないと思ったので、今まで公表してこなかった」という。
「しかし、ウィリアムズでの私たちの仕事は、アレックスのような才能を持つ人物にふさわしい環境を作ることだ。このチームでともに歩む旅は長いものにしたい」
「我々は昔のウィリアムズではないこと、後ろを振り返らないこと、常に前進していることを世界に示さなければならない」。
■アルボンは違う見解?
しかし、このニュースに対するアルボン自身の反応は、疑問の余地を残すものだった。27歳のアルボンは、自身の将来について尋ねられると、こう答えた。
「時間が解決してくれる。本当の目的は2024年であり、2025年に向けて前進することだ。チームが僕の望むところになれば、長期契約になるだろう」。
■チーム目標を最優先するボウルズ代表
アルボンとボウルズ代表のコメントから読み取れるのは、ウィリアムズとの長期契約には、メルセデスやレッドブルのようなビッグチームからのオファーに備えた条項が含まれているということだ。
「私がアレックスの邪魔をするだろうか?」とボウルズ代表は続ける。
「ウィリアムズに対する責任は私の肩にかかっている。どのような決定もチームの長期目標に応じたものでなければならない」
■アルボンはウィリアムズに集中していると主張
アルボンはもともとレッドブルからウィリアムズにレンタル移籍していたが、レッドブルは、もはやアルボンとの契約上のつながりはないと『Auto Bild(アウト・ビルト)』は主張している。
また、アルボンはハミルトンの2025年型メルセデスのシートも狙っているのかと尋ねられると、「正直なところ、まだ考えていないよ。僕はウィリアムズでの仕事に完全に集中しているんだ。なぜなら、ウィリアムズは今、成長を続けているチームだからね」。
■僕には表彰台や優勝争いができるマシンがふさわしいとアルボン
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』は、アルボンがビッグチームからのオファーがあればノーとは言わないことを示唆していると報じた。
「もちろん、年齢的なこともあるし、キャリアのピークに近づいていると思うし、僕の経験やレベルでは、表彰台や優勝争いができるマシンがふさわしいと思う。何よりも、それがウィリアムズであってほしいと願っている」
「だから僕は一生懸命働いているんだ。でも、今はどのチームも同じドライバーを求めているのは明らかだ。どうなるか見てみよう」
アルボンはウィリアムズには新しい「哲学」があると言う。
「ジェームスにプレッシャーをかけたくはないが、2024年は彼が本当にチームをコントロールできる最初の年になるだろう」
「ここ4、5年、マシンのデザインには明確な方向性があったと思う。今シーズンはこれまでの習慣から脱却するためにリスクを冒した。これは正しいことだし、うまくいくかどうか見てみないとね」。