NEXT...F1開催スケジュール

アルファロメオが撤退したザウバーF1の今後を懸念する声「ドライバーたちが円満なのも問題だ」とスイス人ジャーナリスト

2023年11月30日(木)17:30 pm

2019年からイタリアの名門自動車会社であるアルファロメオをチーム名としてきたスイスのF1チームであるザウバーだが、アルファロメオとのネーミングライツ契約は2023年シーズンいっぱいで終了し、2024年からは再びザウバーというチーム名でF1にエントリーすることになる。

■アウディとの提携準備を進めるザウバー

そして、そのザウバーは、2026年からエンジンサプライヤーとしてF1に参戦することになっているドイツのアウディに最終的に株式の75パーセントを売却し、アウディのワークスF1チームとなる計画が進められているところだ。

ザウバーでは2022年までザウバーモータースポーツのマネジングディレクター兼CEOを務めていたフレデリック・バスールがフェラーリの新チーム代表に就任することになったことを受け、その後任に2022年までマクラーレンのチーム代表を務めていたアンドレアス・ザイドルを迎えている。

そして、現在はかつてポルシェのWEC(世界耐久選手権)プロジェクトを成功に導いた実績を持つザイドルがザウバーモータースポーツのCEOとして2026年からスタートするアウディとの共同プロジェクトの準備に携わっている。

■ザウバーには今後数年は期待できない?

しかし、ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』でF1解説者を務めるサッシャ・ルースは、2023年のアルファロメオを見る限り、アウディとのコラボレーションに向けた取り組みに集中し過ぎたことが今季の結果につながったのだと考えており、こうした状況はすぐには改善できないのではないかと懸念している。

2023年のアルファロメオは、ザウバーグループのマネジングディレクターを務めるアレッサンドロ・アルンニ・ブラヴィが暫定的なチーム代表として率いていたが、コンストラクターズランキングは昨年の5位から9位へと滑り落ちてしまった。

「このチームは少しばかり停滞している」

そう語ったルースは、次のように続けた。

「今年は彼らにとってよい年ではなかった。そして、残念だが、この先数年もよくなることはないだろう」

「彼らは明るい材料を何も見つけることができなかった。全てが2026年にアウディが参戦するための準備に注がれているんだ」

■アウディはF1へのコミットを改めて明確にするべき

しかし、最近の噂によれば、フォルクスワーゲン傘下のアウディがF1プロジェクトを見直す可能性もあるとされている。

「だからこそ、アウディがF1に間違いなく参戦すると明確に約束することが、現時点において特に重要だと私は思っている」

ルースはそう語ると、次のように付け加えている。

「そうすれば、CEOとして強力なチームを作るためにスタッフを確保しようとしているアンドレアスの仕事もやりやすくなるだろう」

■ザウバーのドライバー間にはライバル意識が欠けている

一方、ザウバーの本拠があるスイスのベテランジャーナリストであるロジャー・ブノワは、現在のザウバーにおける大きな問題のひとつに「円満なドライバーラインアップ」があると指摘している。

「2021年以降、“アルファ-ザウバー”は非常に円満なドライバー関係を持つ典型的な例だ」

現在、フィンランド人ドライバーでるバルテリ・ボッタスと中国人ドライバーであるジョウ・グァンユのコンビで戦っているチームに言及しながらスイスの『Blick(ブリック)』紙にそう語ったブノワは、次のように続けている。

「ほかのチームのドライバーたちが夕食の席でお互いを避けるのに対し、ヒンウィル(ザウバーの拠点)のカップルはいつも一緒にいる。ライバル意識などまったく感じられない」

「ルクレールとサインツ(フェラーリ)、ハミルトンとラッセル(メルセデス)、ノリスとピアストリ(マクラーレン)、ヒュルケンベルグとマグヌッセン(ハース)は違う」

「レッドブルではフェルスタッペンが圧倒的に強く、ペレスのことは単に無視しているだけだ」

「しかし、オコンとガスリー(アルピーヌ)は若い頃からお互いに我慢ならない関係だ。そして、アロンソはアストンマーティンにおいてオーナーの息子であるストロールが文句すら言えないほど圧倒している」

■2025年のシート争いが変化をもたらす可能性も?

ボッタスと周が現在ザウバーと結んでいる契約は2024年までとなっている。ザウバーの育成ドライバーには2023年のF2チャンピオンとなったテオ・プルシェールという将来有望な20歳のフランス人ドライバーも所属しており、2025年に向けたシート争いはより激しくなりそうだ。

ベテランドライバーである34歳のボッタス、24歳のジョウ・グァンユにとっても、2024年シーズンにどういうパフォーマンスを見せるかが非常に重要になってくるのは間違いなく、2024年には両者が火花を散らし合うようなシーンも見られるかもしれない。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック