今週末のF1ラスベガスGP(現地18日決勝)に関して、3年連続F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が批判的なコメントを行ったことが話題となったが、ほかのドライバーたちも今週末のレースばかりでなく、どんどんF1のスケジュールが過密化することに好感を抱いてはいないようだ。
●【2023F1第22戦ラスベガスGP】開催スケジュール・全セッションの結果
■僕たちはハリウッドスターになりたいわけじゃない
15日(水)には、ほかのグランプリではあまり例のないオープニングセレモニーがラスベガス・ストリップ・サーキットで行われたが、これについて質問されたアストンマーティンのランス・ストロールは次のように答えている。
「僕はこういうことをするために契約したわけではまったくないよ」
「僕はただマシンでレースをするのが好きなだけで、ハリウッドスターになろうとしているわけじゃないんだ」
■ドライバーやチーム関係者の「健康」が見過ごされている
フェラーリのカルロス・サインツも、F1ドライバーたちが毎年どんどん忙しくなってきていることを考えれば、F1の首脳部たちもドライバーに対して何を期待するのかということを「再考」する必要があるのではないかと考えている。
「カレンダーにはレースが増え続けているし、時々、すべてが少し繰り返されているように感じたり、すべてがちょっと詰め込まれすぎているように感じたりするところにまで来ているように思えるんだ。ちょっとやり過ぎかもしれないね」
過酷なスケジュールと時差のために、ドライバーやF1スタッフの「健康」が見過ごされているように感じることもあるとしたサインツは、次のように付け加えている。
「ドライバーたちを満足させ続け、彼らの意見を取り入れることが重要だと僕は思うよ。なぜなら、僕たちはメディアと向き合うことになるし、自分たちのスポーツに満足できなくなるからね」
■ラスベガスとアブダビでの2週連続開催は厳しすぎる
また、アルピーヌのピエール・ガスリーも次のように語っている。
「数日のうちに地球の反対側に移動するのは僕の人生で初めてのことだよ。だから、これからどう感じるのかはよくわからないよ」
今年印象的なパフォーマンスを見せているマクラーレンのルーキードライバーであるオスカー・ピアストリも、ラスベガスGPと最終戦アブダビGPが2週連続開催となるのは、アスリートにとって容認できる限界を超えていると思うとし、次のように付け加えた。
「次回は、主催者はこういうことについてもう少し考えるべきなんじゃないかな」
■チケットも適正価格でなければファン離れにつながる
ほかにも、7度F1王者となった実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ラスベガスの地元住民がこのイベントによって引き起こされる生活の混乱に憤慨するのは当然だと語り、ダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、チケットを買うだけでも法外な金額を要求されるファンに同情しているとコメントしている。
そして、フェラーリのシャルル・ルクレールも次のように付け加えた。
「値段が高いことでファンを遠ざけるようなことにならないよう注意しなければならないよ。僕の意見だけど、チケットが高すぎるレースが今はほかにもいくつかあるよ」
F1や統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、ドライバーたちのこうした意見にもう少し耳を傾ける必要があるかもしれない。