ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、現代のレーサーにとって暑い中でのレースをもっと楽にする動きに反対している元F1ドライバー3人を激しく非難した。
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FIA(国際自動車連盟)はすでに、数人のドライバーが暑さの中で熱中症などの重症を負ったF1カタールGPを受けて、考えられる対策を検討している。
「大きな穴を開けずにコックピットをもう少し冷やすという解決策をFIAと見つけることができればいいね、ドライバーの立場を尊重する必要があると思うよ」とメルセデスのトト・ヴォルフ代表は語った。
■元F1ドライバーたちが現役F1ドライバーに喝!
しかし、カタール後に暑さに関する大きな議論が勃発すると、元F1クリスチャン・ダナーは、現在のドライバーたちが単に「間違ったトレーニングをしている」だけである可能性を提起した。
「ドライバーたちがこのような激しいレースに向けて身体的に十分な準備ができていないということはあり得ない」と彼は付け加えた。
F1レジェンドでアイルトン・セナの同僚だったゲルハルト・ベルガーもこれに同意し、この問題は「単にフィットネスの問題」だと明言した。「体調が良ければ病気になることはないよ」とオーストリア人は語った。
また、80年代から90年代にかけて活躍したもう一人のドライバー、マーティン・ブランドルは、「彼らをこのような挑戦にさらすべきではないという弱気な意見には絶対に同意しない」と付け加えた。
■グランプリドライバー協会のラッセルが反論「昔と今は違う」
しかし、グランプリドライバー協会の理事を務めるラッセルは、こうした元レーサーたちの見解の正当性を疑問視した。
「僕たちは彼らよりも20秒速く周回しながら常に5Gの負荷にさらされているんだ」とオースティンで語った。
「もちろん、僕たちはグラディエーター(剣闘士)である必要があるが、暑さに関しては、身体が対処できるのは限られているんだ。80年代や90年代の車には、50~60℃で作動するパワーステアリングのような電子機器はなかった」
「コックピットには120℃まで加熱する油圧ラインが張り巡らされている。レーシングスーツはグロージャンの事故以来、これまでにないほど分厚くなっているんだ」
「人々は好きなことを言えるけど、40年前と今では状況が違うんだ」とラッセルは主張した。
■ハミルトン「高い報酬を得ているんだ。体調を崩したらもっとハードにトレーニングするだけ」
一方、ラッセルのチームメイトであるルイス・ハミルトンは、今日のF1ドライバーが「柔(やわ)になっている」のではないかと心配する人々の側に立っている。
「これはエクストリーム(過激な)スポーツだ」とハミルトンはオースティンで語った。
「マラソンランナーが、将来はもっと短くすべきだと言いながら気絶するのを見ることはない。僕たちは自分の仕事に対して高い報酬を得ているし、レースの終わりに気分が良くない時はいつもよりハードなトレーニングをするだけだ」
「僕はエクストリームのままであり続けたいと思っている。自分の体の痛みを感じたい。そういうことだよ」
「僕たちは変化に注意しなければならない。甘くなりすぎないようにしないとね」と38歳のハミルトンは若手へのメッセージを語った。
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