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【レッドブルF1】チーム代表クリスチャン・ホーナーもヘルムート・マルコとの確執を否定「マルコがいなければ今の自分はない」

2023年10月19日(木)17:44 pm

世界的エナジー飲料メーカー『レッドブル』が所有するF1チームであるレッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、同チームのアドバイザーであるヘルムート・マルコを追放しようと画策しているとの噂を否定した。

すでに2023年のドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を手中に収めているレッドブルだが、今週になってチーム内部に権力闘争が勃発しているとの噂が持ち上がった。

その噂によれば、1年前にレッドブル創設者であるディートリッヒ・マテシッツが逝去したことを受け、ホーナーは親会社での影響力を高めようと画策しており、マテシッツ存命中はその右腕としてF1プロジェクトに携わってきたマルコを排除したいと考えているとされている。

■マルコはすでに噂を否定

マテシッツと同じオーストリア出身である80歳のマルコは、すでに17日(火)に地元紙『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語り、こうした憶測を否定している。

「私には来年末までの契約がある。いつ、どのようにやめるか、いつ終わりにするかは私が決めることだ。例えば、ホーナー氏が決めることではない」

■マルコがいなければ今の自分はないとホーナー

そして、このほどホーナーもレッドブルにおける政治的影響力をめぐってマルコとひどく対立しているというようなことはないと否定している。

ホーナーは、母国イギリスの『Daily Mirror(デイリー・ミラー)』紙に、マルコとの関係は彼がマルコからモータースポーツ用輸送車を購入した1996年まで遡ると語っている。

当時イギリスF2選手権にドライバーとして参戦していたホーナーだが、翌1997年には自身のチームであるアーデン・インターナショナルを立ち上げて国際F3000に挑戦している。おそらく、その際に車両などを輸送するトランスポーターをマルコから購入したのがこの2人のなれそめだったようだ。

ホーナーは1998年をもってドライバーを引退し、1999年以降はチームオーナーとして国際F3000に参戦を続けており、2004年には圧倒的な強さでタイトルを勝ち取っている。この間、アーデンをサポートしていたスポンサーのひとつがレッドブルだった。

そして、この活躍に目をとめたマルコが、ジャガーを買収して2005年からF1参戦を開始することになったレッドブル・レーシングのチーム代表として当時31歳だったホーナーを引き抜いたのだ。

「ヘルムートなしでは、今の私はなかっただろう」

そう語った現在49歳のホーナーは、次のように付け加えている。

「我々は常にとても強くオープンな関係を楽しんできた。もちろん、たまには意見が食い違うこともあるよ。だが、それは健全なことだと私は思っている」

■レッドブルはマルコの役割を変えたいとは思っていない

しかし、ホーナーも、「友人であり同僚でもあった」マテシッツが昨年10月に他界して以来、レッドブルにおけるマルコの状況は「少し変わった」と認めて、次のように続けている。

「我々がこのスポーツに参入して以来、役割は進化し、ビジネスも大きく発展してきた」

「しかし、彼は今でもチーム内で非常に貴重な役割を担っており、私はもちろん、チーム内の誰もが、それを変えようという意図や願望はまったく持っていないよ」

「彼はまだ非常に元気な80歳だし、彼が続けたいと思っている限り、我々の仕事のやり方に変化はないと思う」

■絶対的リーダーがいない今のレッドブル

レッドブル関係者によれば、マテシッツの死後、レッドブルのコーポレート・プロジェクトおよび投資部門のCEO(最高経営責任者)に就任したオリバー・ミンツラフが、今週末にF1第19戦アメリカGP(22日決勝)が開催されるオースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)を訪れることが決まっているという。

ホーナーは次のように付け加えている。

「グループはリーダー不在のまま発展を続けている。だが、会社は健全で素晴らしい状態にあるよ」

マテシッツが存命中は、彼がレッドブルの最高権威として全てを統括していた。だが、現在のレッドブルには絶対的な最高権威としての存在はなく、ミンツラフがスポーツビジネスなどを担当するCEO、アレクサンダー・ワッツラウィクが飲料事業担当CEO、アレクサンダー・キルヒマイヤーが全体のCFO(最高財務責任者)を務めるという経営体制となっている。

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