近年のF1では、レッドブル、メルセデス、フェラーリが3強チームだと言われていたが、その形に変化が生じ始めているかもしれない。
実際のところ、2023年F1シーズンはレッドブルがここまでの16戦中15戦を制するという圧倒的な強さを誇っており、レッドブルの1強時代を迎えていると言ってもいいだろう。
それでも、現時点でのコンストラクターズランキングでは、メルセデスが2番手、フェラーリが3番手に位置しており、かろうじて3強チームとしての面目を保っている状態だ。
そして、今シーズン前半を中心にここまで7回の表彰台を確保したフェルナンド・アロンソが牽引するアストンマーティンが現時点ではランキング4番手につけている。
だが、最近では現在ランキング5番手のマクラーレンが急速にパフォーマンスを向上させてきており、先週末の鈴鹿ではランド・ノリスが2位、ルーキーのオスカー・ピアストリが3位となり、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と共に表彰台に上っている。
■アストンマーティンは逆転できるとノリス
23歳のイギリス人ドライバーであるノリスは、今後のレースで必ずアストンマーティンを逆転することができると考えているようだ。ノリスはアストンマーティンとの現在のポイント差に言及しながら次のように語った。
「49ポイントなら、間違いなく勝てると思うよ」
「現在の僕らのアドバンテージは、ほとんどすべてのチームと比較した場合、2人のドライバーがこうしたポジション争い、ポイント争いができていることだと思っているからね」
事実、今年マクラーレンでF1デビューを飾ったばかりのルーキードライバーである22歳のピアストリも最近急激にパフォーマンスを上げてきており、先週末の鈴鹿では予選2番手となり、決勝でも3位フィニッシュを果たし、F1で初めて表彰台に上っている。
アストンマーティンでコンスタントにポイント獲得が期待できるのは、現時点ではアロンソだけとなっており、今後マクラーレンがアストンマーティンを逆転する可能性も十分にありそうだ。
■マクラーレンのやり方を見習うべきだとハミルトン
また、メルセデスのルイス・ハミルトンは、マクラーレンがレッドブルのマシンコンセプトを取り入れてパフォーマンスを向上させてきた事実を受けて、自分たちもそれを慎重に検討する必要があると主張している。
「彼らはそれが可能であることを証明してみせた。そして僕たちは彼らがやったことを検討する必要がある。僕たちもその方向に進まなければならないよ」
「今僕たちが下す決断は、僕たちの将来にとって極めて重要だよ」
■カタールでもマクラーレンが速ければ心配になるだろうとルクレール
一方、フェラーリは第16戦シンガポールGPでカルロス・サインツが勝利している。それまで負け知らずであったレッドブルに土をつけたことで、今後のさらなる躍進が期待されたフェラーリだったが、鈴鹿で行われた先週末の日本GPではシャルル・ルクレールが4位、サインツが6位に終わり、レッドブルばかりかマクラーレンの2台にも先行を許してしまった。
マクラーレンが急速にパフォーマンスを向上させてきたことをフェラーリでは心配しているのではないかと『Sky Italia(スカイ・イタリア)』から質問されたモナコ出身ドライバーのルクレールは、次のように答えた。
「イエスでもありノーでもあるよ」
「ここ(鈴鹿)はシルバーストン(イギリス)と同じように、彼らのマシン特性に適したサーキットだったからね。だから様子を見よう」
「もしカタール(次戦/10月5日決勝)でも彼らのペースがよければ、心配になるだろうね。すでに心配ではあるけれど、彼らが強いサーキットがあるのはわかっているからね」
そう語った25歳のルクレールは、次のように付け加えている。
「もしも、カタールでもまた同じようなことになれば、もっと深刻に心配し始めるだろうね」
現在、コンストラクターズランキング3番手のフェラーリと5番手のマクラーレンとの差は113ポイントとなっている。