アルファロメオで2年目のF1シーズンを送っている中国人F1ドライバーの周冠宇(ジョウ・グァンユ)が、F1グリッドからはじき出されないようにするのは「簡単なことではない」と認めた。
24歳の周がドライバーを務めるアルファロメオは、今季限りでイタリアの名門自動車会社の看板を下ろし、2024年からは再びザウバーという名称に戻して2026年にスタートするアウディとのコラボレーションに備えることになる。
2021年までメルセデスに所属していたバルテリ・ボッタスは、すでにスイスに本拠を構えるザウバーと2024年までの契約を結んでおり、残るひとつのシートを周が確保することになるのか、あるいはほかのドライバーが座ることになるのか、現時点では不透明な状況だ。
■周はF1に相応しいとボッタス
だが、2021年までメルセデスに所属していた34歳のボッタスは、周は2024年もこのチームに留まる資格があるドライバーだと次のように語っている。
「彼はパフォーマンスだけでなく自信と技術的な知識においても大きく成長している。彼は本当にF1に相応しいと僕は思っているよ」
しかし、2026年からアウディのワークスF1チームとなることが決まっていることで、現在のザウバーの首脳部体制がかなり複雑になっており、それが周の中国系スポンサーとザウバーの交渉を難しいものにしているという噂もささやかれている。
実際のところ、現在ザウバーのチームCEOを務めるアンドレアス・ザイドルはアウディとの将来に向けた準備に専念しており、レース現場ではザウバーグループのマネジングディレクターであるアレッサンドロ・アルンニ・ブラヴィがチーム代表代理を務めるという状況となっている。
こうした中、周はまだ2024年のシートを確保することはできていないことを認めている。
■2024年の契約を勝ち取るのは「簡単ではない」と周
「もちろん、それが目標だよ。だけど、それは簡単なことではないんだ。アウディが来ることなど、いろいろなことがあるからね」
「もちろん、僕としては、また1年契約を結ぶよりも、もう少しリラックスできるようにもっと長い契約を結べる方がいいよ」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った上海出身ドライバーである周は次のように付け加えている。
「空席はもうあまり残っていないし、今の場所に留まることができるようすごく慎重になっているよ」
その周にとっての最大のライバルは、ザウバーの育成ドライバーであり、今年はアルファロメオのリザーブドライバーでもあるフランス出身のテオ・プルシェールだと考えられている。8月に20歳になったばかりのプルシェールは現在2023年F2選手権でランキングトップに立っている。