今週末にはフェラーリにとってのホームレースである第15戦イタリアGP(9月3日決勝)がモンツァ・サーキットで開催される。
■モンツァでF1新記録の10連勝に挑戦するフェルスタッペン
そして、このレースの注目ポイントのひとつは、先週末の第14戦オランダGPでセバスチャン・ベッテルが持つ9戦連続勝利記録に並んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、その記録を10連勝に伸ばすかどうかということだ。
実際のところ、今季はここまでの13レース中11勝をあげているフェルスタッペンの強さは群を抜いており、現時点ではモンツァでもフェルスタッペンが勝利すると予想している者が多いのではないだろうか。
■フェルスタッペンが強いのはF1にとって悪いことではない
今年はF1テレビ中継の視聴率が低下していると伝えられているが、その原因はフェルスタッペンの圧倒的な強さがF1を退屈なものにしているためだという見方もあるようだ。
だが、F1最高責任者(CEO)であるステファノ・ドメニカリは、フェルスタッペンが強すぎるとしても、それはF1にとって悪いことではないと考えているようだ。
「今は“フォーミュラ・マックス”なのかな?」
そう語った58歳のドメニカリは、次のように付け加えた。
「もし1人のドライバーが歴史を作り、伝説になろうとしているのであれば、それは我々のイベントの独自性と壮観さを強固にするだけだというのが私の見解だよ」
■今のフェルスタッペンはミスを犯さない
ともあれ、今週末のモンツァでは、フェルスタッペンよりもイタリアンF1チームであるフェラーリの方にプレッシャーがかかることになるかもしれない。
テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』から、ティフォシと呼ばれる熱狂的なファンは地元のレースでフェラーリがフェルスタッペンの10連勝を阻止できると期待していいのかと尋ねられたカルロス・サインツは次のように答えている。
「プレッシャーをかければ、誰だってミスを犯すものなんだ」
「問題は、今の彼(フェルスタッペン)にはあまりプレッシャーがないことだ。彼がミスを犯してもおかしくはなかったところでさえ、彼とレッドブルは完璧な仕事をしたよ」
一方のフェルスタッペンも、もしもイタリアGPでフェラーリのドライバーに連勝を止められても気にしないかと質問されると、微笑みを浮かべながら『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように答えた。
「いや、僕たちはワン・ツーをやりたいと思っているよ」
「フェラーリは3位になればうれしいだろうね」
■特殊なモンツァ・サーキットではサプライズも起こる?
こうした中、元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガーは、今週末のモンツァでフェラーリがサプライズを起こす可能性もあると考えているようだ。
「このような状況においては、彼らは努力し、優秀な人材を見つける必要がある」
かつて1980年代後半と1990年代前半の2期にわたって通算6年をフェラーリドライバーとして戦った経験を持つ64歳のベルガーは、母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』にそう語ると次のように付け加えた。
「それに、チャンスはないと言うようなミスを犯すべきではないね。モンツァは非常に特殊で、長いストレートに合わせてマシンにはウイングがほとんどないことを忘れてはいけないよ」
今年もスペシャル・カラーリングが施されたF1マシンをモンツァに持ち込むフェラーリが番狂わせを起こして見せるのかどうかも今週末のF1イタリアGPの見所になりそうだ。