ダニエル・リカルド(アルファタウリ)のレース復帰は第17戦日本GPとなる可能性が高いようだ。
■スペインで手術を受けたリカルド
オーストラリア出身ドライバーのリカルドは、先週末にザントフォールト・サーキットで開催された第14戦オランダGPの金曜フリー走行2回目にクラッシュを喫し、左手の中手骨が骨折したと伝えられていた。
34歳のリカルドは、ザントフォールト・サーキットの近くの病院でギブスをはめられ、その後スペインのバルセロナに移動して有名な整形外科医であるグザビエ・ミールの治療を受けている。
ミール医師は今シーズン開幕前にランス・ストロール(アストンマーティン)が自転車事故で骨折した際に治療に当たったことでも知られている。
リカルドはSNSに病院のベッドに横たわる自分の写真を投稿し、そこに添えたコメントの中で次のように語っている。
「僕に手を差し伸べて励ましてくれたみんなに感謝している。これは挫折ではなく、全て復帰のためのものなんだ」
■レース復帰は早くても日本GP?
当初、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、リカルドが今週末にモンツァで開催される第15戦イタリアGP(9月3日決勝)でレース復帰するのは無理だが、9月17日に決勝が開催される第16戦シンガポールGPで再びアルファタウリのコックピットに戻ることができるのを期待していると語っていた。
だが、リカルドの復帰には当初の予想よりも時間がかかりそうな状況だ。
「手術はうまくいったよ。骨折は我々が考えていたよりもっと複雑だったがね」
『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったアルファタウリのピーター・バイヤーCEOは次のように付け加えている。
「私はちょうど彼のマネージャーと話したところだ。彼はこれからバルセロナに数日間滞在し、治癒状況を見守ることになる」
さらに、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコも次のように付け加えている。
「残念ながら、複雑な骨折だ。まっすぐに折れたわけじゃないんだ」
「近いうちに医師からはっきりしたことが伝えられるだろうが、次の2レースは難しそうだね」
もちろん、マルコが言及した次の2レースとはイタリアGPとシンガポールGPのことだ。つまり、リカルドがレース復帰できるのは、早くても鈴鹿で開催される日本GPとなる可能性が高いということのようだ。
■代役を務める21歳のローソンの走りにも期待
リカルドが復帰するまでは、先週末に急遽その代役を務めたリザーブドライバーのリアム・ローソンが引き続きアルファタウリで角田裕毅のチームメートを務めることになりそうだ。
先週末のザントフォールトで予期せぬF1デビューを飾ったニュージーランド出身ドライバーのローソンは、土曜日のフリー走行3回目で初めてアルファタウリ2023年型マシンのステアリングを握ると、ウエットコンディションにも苦しめられ、予選は最下位に終わってしまった。
だが、決勝ではレース中に不運な10秒ペナルティーを受けたものの、やはり天候に翻弄された困難なデビューレースで安定した走りを見せて13位でチェッカーフラッグを受けている。
2022年にはF2でランキング2位となったローソンは、現在はレッドブルのリザーブを務める傍ら、日本のスーパーフォーミュラに参戦しており、2レース制で行われる鈴鹿での最終ラウンド(10月28日~29日)を残した時点でランキングトップの宮田莉朋とは8ポイント差の2番手につけている。
リカルドはしばらく不在となるものの、レッドブルが将来を期待しているドライバーのひとりであるローソンがF1で今後どういう走りを見せるのかにも注目したいところだ。