F1の夏休みも終わり、ついにシーズン後半の初戦となる第14戦オランダGP(27日決勝)がザントフォールト・サーキットで開催されているが、アストンマーティンのランス・ストロールが木曜日(24日)に行われたドライバー記者会見を欠席したことから、24歳のカナダ人ドライバーに関する噂が国際的メディアを賑わせることになっているようだ。
■記者会見欠席に疑問符が付けられたストロール
本来、ダニエル・リカルド(アルファタウリ)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と共にドライバー記者会見に出席する予定だったストロールだが、急遽欠席することになった。
アストンマーティンはこれについて、ストロールが「感染症から回復中」のためだと説明し、「彼は体調も良く、今週末のオランダGPに出場する予定だ」と主張している。
実際のところ、ストロールの母国カナダの『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』によれば、耳の下の部分に包帯を付けたストロールの姿が目撃されていたという。
しかし、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、ストロールが「技術ブリーフィングに出席するためにパドックを元気いっぱいにスクーターで駆け抜けていた」と指摘し、アストンマーティンの声明は「タイミングが悪かった」と報じている。
■ストロールのF1キャリアにも疑問符?テニスに転向?
ともあれ、2023年シーズンのストロールはここまでのところ、セバスチャン・ベッテルの後任として新たなチームメートとなったフェルナンド・アロンソの陰に隠れてしまっているのは事実だ。
42歳のアロンソがここまでに6回表彰台に上り、149ポイントを稼いでドライバーズランキング3番手に位置しているのに対し、ストロールは第3戦オーストラリアGPでの4位が最高で、ポイントもアロンソに102ポイントの差をつけられており、ランキング9番手となっている。
いくらチームオーナーの息子だとしても、もう少しアロンソとの差を縮めていかなければ、シートを失う可能性もゼロではないだろうと考えるF1関係者もいるようだ。
たとえば、かつてジョーダン、ウィリアムズ、トヨタで活躍し、F1通算6勝の記録を持つ48歳のドイツ出身元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは、『formel1.de』に次のように語っている。
「もしもストロールがずっとこういう状況なら、どこかの時点で彼の父親が2つめのコックピットの心配をせずにはいられなくなると思うよ」
スペインの日刊スポーツ紙『Marca(マルカ)』を含むいくつかのメディアが報じたところによれば、最近では、ストロールがF1を諦めてプロテニスプレイヤーに転身することを考えているようだとの噂さえささやかれているという。
■ストロールはよくやっているとテクニカルディレクター
しかし、アストンマーティンのテクニカルディレクターを務めるダン・フォローズは次のように語り、ストロールを擁護している。
「ランスがシーズン前に自転車の事故で負った怪我と、そこからの回復を考慮に入れれば、彼は素晴らしいチームメートとともに非常にいいパフォーマンスを発揮しているよ」