フェラーリは、今シーズンの残りのレースではアルピーヌとの4位争いを繰り広げることになるかもしれない。
■改良マシンに不安を抱えるフェラーリ
2週間前にバルセロナで行われたスペインGPには大幅なアップグレードを施したマシンを投入したフェラーリだが、シャルル・ルクレールが予選19番手となるという想像もしなかった悲惨な結果に終わってしまった。
しかも、その後マラネロにあるファクトリーで行われた検証の結果、ルクレールのマシンには何も問題は見つからなかったことが明らかとなっている。
モナコ出身のルクレールは、カナダGPの舞台となるモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで次のように語った。
「今のところ、その理由はわかっていないんだ」
「だから、これがちょっと心配だし、その理由を理解するために頑張って取り組む必要があるよ」
「なぜなら、感触が本当に悪かったのは確かだからね」
その25歳のルクレールに関しては、フェラーリに愛想を尽かしてしまっており、ほかのチームへの移籍を考えているようだとの噂もささやかれるようになっている。
しかし、ルクレールはこれからも「このプロジェクトを信じ続けていく」と主張している。
■アルピーヌがすぐに追い付いてくるとサインツ
一方、ルクレールのチームメートであるカルロス・サインツも、今後について大きな不安を抱えているようだ。
現時点において、フェラーリはコンストラクターズランキングでレッドブル、メルセデス、アストンマーティンに次ぐ4番手に位置している。
サインツは、フェラーリにとっては、現在上位にいるメルセデスやアストンマーティンと争うことよりも、アルピーヌとの4位争いが今後の焦点となるかもしれないと、『DAZN(ダゾーン)』に次のように語った。
「アルピーヌがまさに僕たちに加わろうとしていると僕は思っているよ。彼らが僕たちの戦いに加わるのももうすぐだろうと思う」
■以前よりもフェラーリに接近しているのは確かだとオコン
実際のところ、コンストラクターズランキング4番手のフェラーリと、ランキング5番手に位置しているアルピーヌの差は現時点では60ポイントとなっている。普通に考えれば、今年はあと15戦が残されているとは言え、その差を逆転するのはそう簡単なことではないだろう。
だが、アルピーヌのエステバン・オコンも、自分たちがフェラーリとの差を縮めることはできるはずだと考えているようだ。
「僕たちは彼らよりも前にいるわけではない。だけど、以前より近づいている。それはいいニュースだよ」
モナコGPで3位表彰台に上り、調子を上げてきているフランス人ドライバーのオコンは、モントリオールでそう語ると、次のように付け加えた。
「グリッドはすごく接近している。そして僕たちのペースは十分ではないから、やるべきことはある。でも、今シーズンの全体的な進歩には満足しているよ」