現在、メルセデスは2023年シーズンで現在の契約が切れるルイス・ハミルトンとの間で2024年以降の新契約に関する話し合いを行っている。
しかし、最近の報道によれば、7度F1王者となったハミルトンとの話し合いは必ずしも順調に進んでいるわけではないようだ。
以前は自分自身で契約交渉を行っていたこともあるハミルトンだが、現在は間に代理人を置いてメルセデスのチームCEO兼代表であるトト・ヴォルフとの交渉を行っている。だが、噂によれば、両者が提示している“報酬額”の間には大きな隔たりがあると考えられており、交渉はかなり難航しているという。
さらに、ハミルトンに関しては、フェラーリへの移籍や、今シーズン限りでのF1引退を選択する可能性もあるという噂もささやかれている。
■噂はどれも本当ではないとヴォルフ
こうした中、ヴォルフはハミルトンとの契約交渉に関して次のように語った。
「2年に1度、新しい契約を結ばなければならないときにはこうした噂が出てくるものなんだ」
「だが、どれも本当ではないよ。我々には時間的なプレッシャーもなく、普通に議論しているところだよ」
■「気まずさ」があるのは事実
しかし、38歳のハミルトンは最近、ヴォルフとの契約交渉が「気まずい」ものになっていると認める発言を行っている。
そのことについて質問されたヴォルフは、次のように答えている。
「私もそう言ったよ」
「10年間にわたって、良いときも悪いときも一緒にやってきた血を分けた兄弟のような2人の友人が、突然金について議論しなくてはならないのは気まずいものだよ」
「しかし、私は、我々が合意することになると確信している。それには1ミリの疑いもないよ」
■戦えるマシンさえあればハミルトンは40代になっても勝利できる
一方、ハミルトンは先日、かつてメルセデスの非常勤会長を務めていたニキ・ラウダの息子であるマティアス・ラウダに対し、自分はF1関係者の誰もが思っている以上に長くレースを続けていることを想像できると語ったことも報じられている。
そのハミルトンのコメントは、自分がメルセデスで続けることを示唆しているものだと思うかと尋ねられたヴォルフは、次のように答えている。
「それ以外のことは想像できないよ」
「もしも我々がルイスに競争力のあるマシンを与えれば、彼はこれから長い期間にわたって勝つだろう」
そう語ったヴォルフは、2022年シーズンを最後に45歳で引退したアメリカンフットボール・プレイヤーのトム・ブレイディに言及しながら、次のように付け加えた。
「トム・ブレイディが40代になってもまだ能力があったことを考えてごらんよ」。