セバスチャン・ベッテルが、いつF1の現場に戻りたいと思うようになるのかは「まだわからない」と語った。
レッドブルで2010年から4年連続F1チャンピオンとなったドイツ出身ドライバーのベッテルだが、アストンマーティンで戦った昨シーズン限りでF1を去っている。
■F1のない生活に「慣れてきた」とベッテル
2023年シーズンにはまだ一度もF1グランプリに顔を出していない35歳のベッテルは、このほど母国ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に次のように語った。
「すごく長くレースをやってきた後、僕は初めて日常生活というようなものを手に入れたんだ。それに慣れるのにいくらか時間がかかったよ」
「何よりも、僕は子供たちとの時間を楽しんでいるんだ」
「最初はそこ(F1)にいないことが奇妙に感じられたよ。だけど、うまくやれているし、大きな興味を抱きながらこのスポーツを見ているよ」
■アストンマーティンの躍進は「すごくうれしい」
ベッテルが所属していた昨年のアストンマーティンは、コンストラクターズランキング7位だったものの、今年はベッテルの後任としてアルピーヌから移籍してきたフェルナンド・アロンソがここまでの5レースで4回3位表彰台に上る活躍を見せており、コンストラクターズランキングも現時点では2番手に大躍進を遂げている。
「僕が前にいたチームのことをすごくうれしく思っている。彼らはここ数年すごく懸命に取り組んできていた。だから今何度かトロフィーを獲得できているのはいいことだよ」
だが、いつになったら再びベッテルの姿をF1パドックで見られるようになるのかと尋ねられたベッテルは、「まだわからないよ」と答えるのみだった。
■グッドウッドでは合成燃料でF1マシンをドライブ
しかし、ベッテルは7月に開催される今年の『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』において、自分のコレクションの中からかつてナイジェル・マンセルが1992年に戦ったウィリアムズF1マシンや、アイルトン・セナが1993年に戦ったマクラーレンF1マシンなどのステアリングを握る予定となっている。
そして、それらのマシンには通常のガソリンではなく、環境に優しい合成燃料が使用される計画となっている。
「合成燃料を積んだ僕の古いマシンで走るというのがひとつだよ。そして、自分自身を触発し、いろいろなものを見て回り、アイデアを集めたいと思っているんだ」
「どんなプロジェクトになるかは様子を見よう。だけど、ここまでのところ、引退を決断したことですごくうまくいっているんだ」
そう語ったベッテルは、いつの日かF1に戻ってくる可能性を示唆するように、次のように付け加えている。
「僕は競争と興奮を本当に恋しく思っているよ」