レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、メルセデスがレッドブルとの差を縮めるためにFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)に働きかけていると考えているようだ。
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■DRSゾーン短縮を提案したのはメルセデス?
最近、FIAが第4戦アゼルバイジャンGPの舞台となったバクー市街地サーキットと、第5戦マイアミGPが開催されたマイアミ・インターナショナル・オートドロームにおいて、昨年よりもDRSゾーン(空気抵抗低減システムである可変リアウイングを作動することができるエリア)を短縮したことが話題となっていた。
このことにより、特にバクーでは昨年までよりもオーバーテイクが難しくなり、レースの面白みに欠けるものになったとの見方もある。さらに、F1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)は、FIAがドライバーたちに相談することなく一方的にDRSゾーン短縮を決めたことに不満を表している。
だが、マルコは、実際のところ、FIAがDRSゾーン短縮を決めたのは、メルセデスによるロビー活動の結果だと見ている。
今年のレッドブルF1マシンは、とりわけDRSを作動させたときにライバルたちに対して圧倒的なスピード差を有しており、DRSゾーンが短縮されれば、そのレッドブルのアドバンテージを減らすことができるとメルセデスが考えたということだろう。
「オーバーテイクは常に難しいものだよ」
『motorsport-magazin.com』にそう語った80歳のオーストリア人は次のように付け加えた。
「DRSゾーンが短くされたなら、それがどうしてなのかはわかるだろう」
■メルセデスは自分たちのマシンに集中した方がいいとレッドブル首脳
つまり、レッドブルのペースを落とそうとしたということか、と尋ねられたマルコは次のように続けている。
「その通りだよ」
「彼らは、そういう企みのためにこういう操作的な介入をするのはやめるべきだ。全チームの中でとりわけメルセデスが動揺しているのは驚きだよ」
「彼らは何年にもわたって非常に優れたエンジンを持っていたし、今の我々よりもずっと先行していたんだからね」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「2年連続であんな失敗マシンを造ったのなら、むしろ、そちらに集中した方が賢明じゃないかな」。