現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペンが、今後もし自分のモチベーションを維持できないと感じる時がきたら、F1から去ることになるだろうと示唆した。
■スプリントフォーマット修正は歓迎できない
オランダ出身の25歳のフェルスタッペンは、今週末のF1アゼルバイジャンGP(30日決勝)で2つ目の予選が行われるのをあまり歓迎していないことを認めている。
今年は23戦中6戦でスプリントが実施されることになっているが、このほどその運営方法が修正され、日曜日の決勝と土曜日の午後に行われるスプリントが完全に独立したレースとなり、土曜日の午前にスプリントのための“スプリントシュートアウト”と呼ばれる予選が開催されることになった。
だが、以前からそれに批判的な姿勢をとっていた25歳のフェルスタッペンは、土曜日のスプリントと日曜日の決勝をそれぞれ独立したレースとして運用したとしても、土曜日に100キロメートルで争われる短いスプリントをそれほど魅力的なものにすることができるとは考えていないようだ。
「もしポイント圏外にいたら、8位以内でフィニッシュしようとするだろうね。でも、もっと上位のドライバーにとってはそれほど大きな違いはないよ」
そう語ったフェルスタッペンは、次のように続けた。
「アクシデントでマシンを壊すリスクはすごく大きいんだ。それによって日曜日のレースが台無しになる可能性があるからね」
「だから、これは僕たちに本当に必要なものなのかな? バクーではすでに混沌としたレースが繰り広げられているしね」
「僕はこの新しいフォーマットを我慢して受け入れなくてはならないよ。たとえ、何もするべきではなかったとまだ思っているとしてもね」
■レース数増加とエンターテインメント性強化に進むF1
フェルスタッペンは、近年のF1がどんどんレース数を増やし、ショー的要素をどんどん取り入れてきていることを好ましいことではないと考えており、現在レッドブルと結んでいる2028年までの契約が満了すればF1を引退する可能性さえあるとしている。
「多分、金曜と土曜のチケットをより多く販売するためじゃないかな。だけど、もうすぐ24レースあるいは25レースが行われることになるし、みんなの健康にも気を配らなければならないよ。スプリントのせいでさらに忙しくなるんだからね」
そう語ったフェルスタッペンは、そう遠くない将来にF1を去ることになるだろうと示唆するように次のように続けている。
「僕はこのスポーツが大好きだし、レースに勝つのも好きさ。そしてもちろん、僕はいい暮らしをしているよ。でも、キャリアのどこかの時点で、何か新しいことをしたいと思う時も常にあるものなんだ」
「僕には2028年末までの契約がある。もしそれが僕にとって負担になっていけば、恐らくそれは変える時だろうね」
「鏡の中の自分自身に問いかけなければならない。まだやる気があるのかとね」
「もちろん、今の自分にはあるよ。でも、きっとどこかの時点で何か違うことをしたいと思うだろうね」
「外部の人たちには奇妙に聞こえるだろうということはわかっているよ。F1ドライバーをやっていればすごく成功することができるんだからね。もし、僕が外部にいたら、僕にも理解できないかもしれないよ」
「僕の人生はとても素晴らしいものだよ。だけど、何事にも限界はあるんだ」
■7回も8回もF1チャンピオンになることに興味はない
F1関係者の多くは、フェルスタッペンがミハエル・シューマッハとルイス・ハミルトンが持つ7回のF1ドライバーズタイトル獲得記録と並ぶか、それを上回る可能性が大きいと考えている。
しかし、フェルスタッペンはそうした記録にはあまりこだわっていないようだ。
「いや、僕は7回あるいは8回タイトルをとることに興味はないよ」
「もしそれができるクルマがあるなら、素晴らしいことだ。だけど、もしそうならなかったとしても僕は幸せになれるよ。僕はすでに幸せだし、それで構わないんだ」
微笑みを浮かべながらそう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えている。
「だけど、今の時点では、2028年のあと、どうするかを考えるのはちょっと難しいね」。