元F1ドライバーのジャン・アレジは、仮にフェラーリがレッドブルから天才F1マシン設計者として知られるエイドリアン・ニューウェイを引き抜いたとしても現在のパフォーマンス問題をすぐに解決することはできないだろうと考えている。
■フェラーリの問題をすぐに解決することはできないとアレジ
1991年から1995年までフェラーリに所属していた現在58歳のアレジは、フェラーリの新チーム代表に就任した自分と同じフランス出身のフレデリック・バスールが成果を出すには、いずれにしてももっと時間が必要だと考えている。
アレジは、フランスのスポーツ専門放送局『Eurosport(ユーロスポーツ)』の番組『Les Fous du Volant』で、「時間はかかるだろうが、フェラーリがバスールを選択したのは正しいことだ」と語っている。
アレジは、同じフランス人のジャン・トッドが90年代にフェラーリに着任し、ロス・ブラウン、ロリー・バーン、ミハエル・シューマッハといった人材を積極的に採用したことに言及しながら、次のように続けた。
「そういうことは、F1ではもう可能ではないよ」
「今日、もしもエイドリアン・ニューウェイがフェラーリに行くと決めたとしても、2025年まで彼のマシンを見ることはできないだろう。それはすべての契約にある条項のためだ。だから、時間がかかるだろうね」
「しかし、繰り返すが、フレッド・バスールはこの仕事にふさわしい人物だよ」
アレジによれば、バスールは冷静さを失わずに、「信頼性、パフォーマンス、安定性」を優先させる必要があるという。
「彼はこの3つを自分の望む順番に並べる必要がある。だが、それがやらなければならないことなんだ」とアレジは主張している。
■ルクレールがナンバー1だと決めても効果はない
また、アレジに言わせれば、フェラーリにおける唯一の“ナンバー1”はバスールなのだという。
カルロス・サインツよりもシャルル・ルクレールをフェラーリのナンバー1ドライバーとして優先させることが賢明だと思うかと質問されたアレジは、次のように答えている。
「もしも次のグランプリで『シャルル、君がファーストドライバーでカルロスがセカンドドライバーだ』と彼らが言っても、マシンの開発プロセスには何の役にも立たないだろう。特にパフォーマンスと信頼性の欠如に関してはね」
「率直に言って、それ(ドライバーの序列)が問題じゃないんだ」。