レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、2026年以降自分たちでF1エンジンを開発・製造していくのは「リスク」だと認めたものの、そのプロジェクトは順調に進んでいると主張した。
■2026年にはアウディが新エンジンサプライヤーとして参入
F1では、2026年から新たなエンジンレギュレーションが導入されることになっており、それを機にフォルクスワーゲン傘下のアウディが新たなエンジンサプライヤーとしてF1に参入することになっている。
すでに、スイスに本部を置くザウバー(現アルファロメオ)と提携することが確定しているアウディだが、18日(火)から27日(木)にかけて開催されている“上海モーターショー2023”に出展している。
そして、開発担当取締役を務めるオリバー・ホフマンはその会場で、アウディのF1プロジェクトは「ここ数か月で本格的に始まった」と語り、次のように付け加えた。
「パワーユニットのコンセプト段階が現在進行中であり、今日では、そこで2026年に向けた我々のドライブトレインの基礎が築かれつつある」
■2026年以降はフォードと手を組むレッドブル
現在ホンダと組んでいるレッドブルは、2026年からは自らのエンジン製造部門であるRBPT(レッドブル・パワートレインズ)で製造したエンジンを搭載することを決定しており、現在はそのための開発が進められているところだ。
レッドブルが2026年以降のF1エンジンパートナーとしてフォードを選んだのは、フォードが主にハイブリッド側を担当する一方で、レッドブルの独立性を残せるからだと考えられている。
■F1エンジン自主開発は“リスク”だが心配はしていない
79歳のオーストリア人であるマルコは、『formel1.de』に次のように語っている。
「パワーユニットの自主開発はリスクだよ」
「しかし、我々には頼りになる経験豊富な従業員たちがいるし、すべてがうまくいくと確信しているよ。新エンジンについて私が現在得ている情報は心強いものだ。我々が不利な立場に置かれるとは思っていないよ」
「信頼性も同じだ。すべて順調にいくはずだよ。我々にはパワーユニットのハイブリッド部分に精通している重要なパートナーがいるし、もし何か準備ができないものがあれば、彼らは若い企業あるいはスタートアップ企業と共に解決策を探すことになるだろう」
■アウディ参戦でさらに自分たちの勝利への情熱が高まる
「我々はフォードと共に競争力を発揮できるという自信がある。フォードのエンジニアは我々と同じ建物で一緒に働いている。そこで我々は昨年6台のテストベンチを投入したよ」
「我々はエンジンを1基製造し、もう1基を組み立てているところだ。進歩しているのは明らかだよ。採用も含めて、予定通りに進んでいる。まだ、最適な従業員数には達していない。だが、達成するよ」
そう主張したマルコは、次のように付け加えている。
「そしてもちろん、アウディというもうひとつのライバルが登場することで我々の勝利への情熱はさらに高まるだけだ」。