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意図的に赤旗中断?複数のF1ドライバーが米国流エンタメ重視運営に不満・・・フェルスタッペン「2028年以降はF1を辞める」と発言

2023年04月03日(月)18:22 pm

何人かのF1ドライバーたちが、現在のF1ではエンターテインメント性を重視したレース運営が行われているのではないかとの疑念を抱いていることを認めた。

●【2023F1第3戦オーストラリアGP】決勝レースのタイム差、周回数

先週末のF1オーストラリアGP は、3回の赤旗中断が発生し、全20台のマシンのうち完走12台という荒れたレースとなってしまった。

だが、2回目の赤旗中断後、スタンディングスタートによって残り2周が争われたことによって複数台がからむマルチクラッシュが発生したことに関してはレース管理サイドに責任があると考えている者が多いようだ。

■アメリカ流のやり方を苛立たしく思うこともあるとヒュルケンベルグ

この波乱のレースを7位でフィニッシュしたハースのニコ・ヒュルケンベルグは、レース後に次のように語った。

「これは大きな議論を呼ぶような悪い状況になると思うよ」

「ファンの視点やエンターテインメントの視点からは、完全に理解できる」

「ドライバーの観点やチームの観点からすれば、このアメリカ流のエンターテインメント・スタイルは、ときには苛立たしいこともあるよ」

■目的はショーのためだとノリス

ヒュルケンベルグよりひとつ上の6位となり、今季初ポイントを獲得したマクラーレンのランド・ノリスも、本来出す必要がない赤旗を出したように見えたのは、その都度レースを白熱したものにしようとする意思がレース管理者側にあったためではないかと次のように語っている。

「赤旗の目的は、ショーを作るためだったように思えたよ」

■大混乱が起こるのは明らかだったとボッタス

11位でフィニッシュしたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)も次のように付け加えている。

「残りが2周となれば、激しい戦いと大混乱が起こることは明らかだよ」

■レース管理者の考えがわからないとラッセル

また、F1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のディレクターを務めているジョージ・ラッセルは、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)のクラッシュにより発生した最初の赤旗中断に言及しながら次のようにコメントしている。

「あれは完全に不必要なことだったよ。砂利のために?」

「レース管理者たちが何を考えてあのような決断を下したのか僕にはわからないよ。もっといいものにするために僕たちは一緒に取り組む必要があるよ」

■今のルールでは赤旗中断後の再開はスタンディングスタートに

ドライバーたちが示唆しているのは、本来そこまでの必要がない場合であっても、レース運営側が、レースをより見所のあるものにするために、意図的に赤旗中断という判断をしているのではないかということだ。

何かクラッシュなどが発生した場合、セーフティカーを導入して周回を続けることもある。この場合にはセーフティカーが先頭のマシンの頭を押さえることから、各マシンのギャップが小さくなり、再びコース上で白熱したレースが展開される可能性も出てくる。

しかし、赤旗中断となれば、現在のルールではセーフティカー先導ではなく、ホームストレート上のグリッドから各マシンが一斉にスタンディングスタートを行うことから、そこが大きな見所となる。

■徐々にアメリカンスタイルに変わりつつあるF1

こうしたルールに変更されたのは、比較的最近であり、アメリカのリバティ・メディアがF1オーナーとなってからのことだ。

実際のところ、リバティ・メディアが率いる現在のF1は、よりエンターテインメント性を強くする方向でさまざまな取り組みが行われている。2021年に初導入され、今年は6レースで行われることになっているスプリントなどもそのひとつだ。

最近の報道によれば、フリー走行をなくして、原則的に全てのセッションでポイント争いをするような週末フォーマットへ変更するという案も今後に向けて検討される可能性があると言われている。

しかし、エンターテインメント重視によって伝統的なF1のスタイルが変わってしまうことを危惧しているF1関係者やドライバーが少なくないのも事実だ。

■F1を続けたいとは思えなくなるとフェルスタッペン

現F1チャンピオンであり、レッドブルと2028年までの契約を結んでいる25歳のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)もそのひとりだ。

フェルスタッペンは、先週末のメルボルンで母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に対し、もしもF1が今後もスプリントをさらに増加させるような取り組みを進めるならば、自分は「ここに長くはいないだろう」と語り、次のように付け加えている。

「2028年の後も続けるという決断をする気にはならないよ」

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