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【F1オーストラリアGP:レポート】大混乱!3度の赤旗・・・いったいいつ何が起こっていた?表彰台はF1世界王者の3人!角田裕毅は今季初入賞

2023年04月02日(日)17:36 pm

2023年F1第3戦オーストラリアGP(メルボルン、アルバートパーク・サーキット)が快晴の下で行われた。

●【2023F1第3戦オーストラリアGP】決勝レースのタイム差、周回数

優勝はポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位はフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と3人の世界王者が表彰台を獲得した。

レースは3度の赤旗が出て、2回のセーフティカー、3回のスタンディングスタート、1回のローリングスタートとなる波乱のレースとなった。

角田裕毅(アルファタウリ)は、カルロス・サインツ(フェラーリ)が5秒ペナルティを科せられたことで、10位でフィニッシュ、今シーズン待望の1ポイントをチームに持ち帰った。

■ピットレーンスタート

ピットレーンスタートになったのは、セルジオ・ペレス(レッドブル)とバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の2台。どちらも予選から決勝レースまでの間のパルクフェルメ管理下で、本来は禁止されている車輌への変更を加えたため、ピットレーンスタートとなった。

■スタート直後にセーフティカー

スタート直後のターン1は2番グリッドのジョージ・ラッセル(メルセデス)が制し、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2番手で通過。

その後のターン3で早めにブレーキングしたフェルスタッペンのイン側にルイス・ハミルトン(メルセデス)が入り、接触寸前のギリギリのスペースを保ちながらハミルトンが2番手へ浮上。フェルスタッペンは「ターン3で押し出された。僕の方がエイペックス(コーナーの頂点)で前にいたのに」とハミルトンを批判したが、お咎めなしだ。

その混戦の中、ターン3でシャルル・ルクレール(フェラーリ)はランス・ストロール(アストンマーティン)と接触し、グラベルにハマってしまった。

アウト側のルクレールは、イン側のストロールに対してブレーキングを遅らせてオーバーテイクを狙った。しかし、ルクレールの右リアタイヤと、ストロールの左フロントタイヤが接触し、ルクレールは180度スピンしてリアからグラベルに突っ込んで止まった。ストロールもバランスを崩したものの、なんとかコース上に留まってレースを続けた。

この件はお咎めなしだった。

ルクレールのマシンを撤去するため1回目のセーフティカーが入り、後方のマシンは続々とロングラン用のハードタイヤやミディアムタイヤへと変更した。

■アルボン、クラッシュ

すぐにレース再開した後、ジョージ・ラッセル(メルセデス)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のメルセデスF1勢を先頭にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が追いかける展開でレースは進んでいた。

しかし7周目、ターン7で突然アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)が単独で大クラッシュ!手前の右ターンのターン6でリアが突然スナップして1回転スピン。フロントからバリアに激しくクラッシュし、ターン7のコースイン側まではじき出された。

真後ろを走っていたピエール・ガスリー(アルピーヌ)やニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は多重クラッシュを間一髪で避けた。

■トップのラッセル不運・・・2回目のセーフティカー後すぐにピットインし赤旗で中断

ここで2回目のセーフティカーが入り、トップを快走中のジョージ・ラッセル(メルセデス)がピットイン。7番手でコースに復帰したが、その直後の8周目に赤旗となり、ポジションを落としただけになってしまった・・・。

メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は「赤旗が出るとは思わなかった、ここから表彰台を狙っていこう」と語りかけると、悔しいはずのラッセルは「みんなのせいではないよ」と大人の対応を見せた。

同じく5番手を走行していたカルロス・サインツ(フェラーリ)も同じタイミングでタイヤ交換を実施しており、11番手でコース復帰。しかし赤旗になったことを伝えられると「ノー!」と悔しさを爆発させた。

■レース再開後、ラッセルはリタイア・・・

その後、2回目のスタンディングスタートでレース再開。

しかし、17周目の終わりでジョージ・ラッセル(メルセデス)のパワーが落ちて後続に抜かれていくと、ホームストレート上でマシン後方から火が出ているのが映された。

ラッセルはゆっくりと走行しながらコントロールラインを超えて18周目に入ったものの、そのままピットレーン出口のコース右側にマシンを寄せてリタイアした。

ラッセルはオープニングラップ後は優勝や表彰台のチャンスがあっただけに、悔しいリタイアとなった。

■レッドブルF1に昇格したい角田裕毅、ポイント圏内走行中だったが・・・

ラッセルのマシンを撤去するためVSC(バーチャル・セーフティカー)となっていたが、19周目にレース再開。

19周目時点で、トップ3はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)。角田裕毅(アルファタウリ)はポイント圏内の9番手を走行中だ。

角田裕毅については、チームのフランツ・トスト代表が「2025年にレッドブルF1昇格のチャンスあり」と語ったこともあり、期待に応えたい。

しかし、その後、角田のマシンはタイヤの消耗が激しく、エステバン・オコン(アルピーヌ)やオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に抜かれて33周目には12番手、さらにジョウ・グァンユ(アルファロメオ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)にも抜かれてしまい14番手まで落ちてしまった。

一方、レース後半の47周目には、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)がソフトタイヤに変更した。アルファタウリF1のマシンがソフトタイヤでどこまで追い上げるか注目したい。

■レース後半の大混乱・・・3回目のセーフティカー、2度目の赤旗

レース終盤となった54周目、ケビン・マグヌッセン(ハース)が単独でウォールにヒットしてしまい、右リアタイヤがバーストしてリタイアした。コース上にはデブリが散乱している。

ここで3回目のセーフティカーが導入、そして2度目の赤旗になった。58周のレースは56周目で止まっており、超スプリントバトルになることが予想された。

赤旗中断中は、タイヤ交換やセッティング変更などしてもいいことになっており、各チームはラストチャンスを獲りに行くためソフトタイヤに変更する。

この赤旗になったことで、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にも優勝のワンチャンスがあることになる。

最後の最後でもうひと波乱ありそうだ。

■3回目のリスタートで大混乱!

2度目の赤旗後の56周目、3回目のスタートのターン1でワンチャンスを狙って一歩も引かないドライバーたちが本気で攻めると、大混乱が発生した。

■3番手アロンソ、サインツと接触スピン

ターン1でフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が接触して、アロンソがスピン、3番手のポジションを失った。アロンソは「昨年のシルバーストーンの時のようにポジションをスタート時に戻すべきだ」と無線で激怒しながら訴えた。

■アルピーヌは同士討ち

ターン1でアウト側に出てコースに戻ったピエール・ガスリー(アルピーヌ)と後方から来たエステバン・オコン(アルピーヌ)が同士討ちでピンク色の2台はリタイアとなった。アルピーヌのガレージは頭を抱えて信じられないといった様子だ。

損傷も激しく、予算制限がある中で今後のアップデートにも影響しそうだ。

■デ・フリースとサージェントが接触

後方ではターン1でニック・デ・フリース(アルファタウリ)にローガン・サージェント(ウィリアムズ)が突っ込み、2台ともリタイアした。

■ストロール、コースアウト

混乱のターン1〜2を抜けた後、ターン3では3番手に上がったランス・ストロール(アストンマーティン)がブレーキング競争で止まりきれず、コースアウトして順位を落とした。

■3回目の赤旗・・・4回目のリスタートはどうなる?

この一連の混乱で3回目の赤旗が出された。赤旗になった時点で、混乱をくぐり抜けた角田裕毅(アルファタウリ)は5番手につけていた。

その後、レーススチュワードは再スタートの順位を発表した。しかし、ターミングモニターの周回数は「58/58」になっており、何周目の時点から再スタートするのか、スタンディングスタートになるのか、詳細はまだ発表されていない。

■【発表された4回目のスタート順位】F1オーストラリアGP
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 L.ハミルトン(メルセデス)
3 F.アロンソ(アストンマーティン)
4 C.サインツ(フェラーリ)
5 L.ストロール(アストンマーティン)
6 S.ペレス(レッドブル)
7 L.ノリス(マクラーレン)
8 N.ヒュルケンベルグ(ハース)
9 O.ピアストリ(マクラーレン)
10 G.ジョウ(アルファロメオ)
11 角田裕毅(アルファタウリ)
12 V.ボッタス(アルファロメオ)

角田裕毅(アルファタウリ)は11番手に戻された。また11位になるのか、それとも1台抜いて1ポイント獲得なるのか?

その後、4回目のスタートは、タイヤが冷えてしまってクラッシュのリスクが大きいスタンディングスタートではなく、ローリングスタートになることが発表された。

■サインツに5秒ペナルティ

3回目のスタートのターン1でフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と接触してスピンさせ、混乱の原因を作ったカルロス・サインツ(フェラーリ)に5秒ペナルティが科せられた。

赤旗中にそれを知らされたコクピット内のサインツは、「ノー!あり得ない。レースが終わるまで待ってくれ、プリーズ、プリーズ、プリーズ(頼むよ、頼むよ、頼むよ!)」とアピールしたが覆らなかった。

■ローリングスタートのままフィニッシュ

モニター表示は「58/58」のまま、つまり、ラストラップのまま、セーフティカー先導で最終コーナーまでゆっくりと進み、セーフティカーがピットに戻ると、最終コーナーから全ドライバーとも全開で走り、そのままフィニッシュした。

問題は、4番手につけていたサインツに5秒ペナルティーが科されるため、5番手から12番手までのドライバーたちはサインツから5秒以内にフィニッシュすれば、1つ順位が繰り上がる。

最終的に、サインツは5秒加算後のリザルトで12位と表示され、11位でフィニッシュした角田裕毅は10位に繰り上がり、今シーズン初となる待望の1ポイントをチームに持ち帰った。

■【暫定】F1オーストラリアGP
順位 ドライバー(チーム)
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 L.ハミルトン(メルセデス)
3 F.アロンソ(アストンマーティン)
4 L.ストロール(アストンマーティン)
5 S.ペレス(レッドブル)
6 L.ノリス(マクラーレン)
7 N.ヒュルケンベルグ(ハース)
8 O.ピアストリ(マクラーレン)
9 G.ジョウ(アルファロメオ)
10 角田裕毅(アルファタウリ)
11 V.ボッタス(アルファロメオ)
12 C.サインツ(フェラーリ)
■DNF(フィニッシュせず)
ー ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
ー エステバン・オコン(アルピーヌ)
ー ニック・デ・フリース(アルファタウリ)
ー ローガン・サージェント(ウィリアムズ)
ー ケビン・マグヌッセン(ハース)
ー ジョージ・ラッセル(メルセデス)
ー アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
ー シャルル・ルクレール(フェラーリ)

■ハースが抗議

レース後、ハースはオーストラリアGPの暫定リザルトに対して抗議を行った。

抗議内容は、最後の58周目のスタート順を決めた時点についてだ。

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