ルイス・ハミルトン(メルセデス)の引退の序章かもしれない。
2023年F1第2戦サウジアラビアGP(ジェッダ・コーニッシュ・サーキット)の初日、ハミルトンは傍らで7年間サポートしてきたアシスタントのアンジェラ・カレンが「自分の夢」を追いかけるために別の道を歩む事をインスタグラムで明らかにした。
■トト・ヴォルフ代表、ハミルトンが離れる可能性を初めて認める
そしてメルセデスF1代表のトト・ヴォルフは初めて、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンがメルセデスを離れる可能性もあると認めた。
38歳のハミルトンとの契約交渉の状況について問われた時、彼はとにかく契約が成立することに「絶対の自信を持っている」と述べたにもかかわらず、である。
しかし、2023年最初の本当の「シリーシーズン(移籍の噂話が出る時期)」は、ハミルトンがフェラーリに“不満を持つ”シャルル・ルクレールのシートを狙っているのではないかというものだ。
メルセデスのチーム代表であるヴォルフは「シリーシーズンで何が言われているのか、私にはまったくわからない」と主張し、意に介さずという姿勢だ。
「我々は話し始める時期について話し合っているが、基本的には日程などいくつかの条件を変更する必要があるだけなんだ」
■ハミルトンが主張するマシンコンセプトを変えるのは不可能だが・・・
しかしハミルトンは最近、2022年型車の基本コンセプトを今年は変える必要があると伝えたものの、メルセデスのエンジニアと経営陣は「僕の話を聞いていない」と非難した。
ヴォルフは、チームが新車で根本的なミスを犯したことは認めているが、単に現行のシャシーを捨てることは不可能だとも語っている。
「シャシーを変えるのは問題外だと思う」と、彼はサウジアラビアで語った。
「単純にコストキャップで十分な予算がないだけなんだ。しかし、エアロダイナミクスの仕組みやボディワークを変えることは完全に対応可能な範囲だ」
■1〜2年後にハミルトンがメルセデスを離れても文句は言えない
しかし、もしメルセデスが中期的にもっと競争力のあるマシンをハミルトンに提供できることを示せなければ、最終的に新契約が結ばれない可能性もある。
「ルイスがメルセデスを去ることはないと思う」とヴォルフは主張する。
「彼はキャリアの中で、お互いを信頼し、素晴らしい絆で結ばれているステージにあり、今は困難な時期ではあるが、お互いを疑う理由はない」
「しかし、ドライバーとしてもし彼が再びチャンピオンになりたいのであれば、彼はマシンを確実に手に入れなければならない。もし今後2、3年のうちに彼に勝てるクルマを与えられると証明できなければ、彼はあらゆるところに目を向けなければならないだろう」
「現時点では彼がそうしているとは思わないが、1年か2年後にそうなっても文句は言えない」とオーストリア人のトト・ヴォルフ代表は付け加えた。