今年からフェラーリのチーム代表を務めているフレデリック・バスールが、チームから何人か重要な人材が流出することについて「心配はしていない」と主張した。
■人材の流出が懸念されるフェラーリ
今週末には2023年のF1第2戦サウジアラビアGP(19日決勝)が行われるが、すでに開幕戦バーレーンGP終了後すぐに今年のフェラーリはチーム内にいくつか問題を抱えているようだと報じられている。
中でも、大きな問題だと考えられているのは、昨年までチーム代表を務めていたマッティア・ビノットが追放されたことに納得できない者たちがチーム内に少なからずおり、すでに何人かがフェラーリを離脱したばかりか、今後も重要なポジションについている人材が何人か去っていく可能性もあると噂されていることだろう。
■それは「避けられない」し「心配していない」とバスール
だが、バスールは母国フランスの『Auto Hebdo(オート・エブド)』に次のように語っている。
「去ることを望んだビノットと親しい人たちがいる。私はそのことは心配していないよ」
バスールによれば、チームメンバーの離脱は、新たな時代が始まるときには「避けられない」ことだという。
実際のところ、バスールが気にしているのは、フェラーリに対するメディアの否定的な報道のようだ。
「たった1レースでなぜチームが標的になったのか、理解に苦しむよ」と54歳のバスールは語っている。
■力づけられることもあった開幕戦
今季の開幕戦バーレーンGPはシャルル・ルクレールがエンジントラブルでリタイア、カルロス・サインツがアストンマーティンのフェルナンド・アロンソにもオーバーテイクを許すというフェラーリにとっては厳しい結果に終わってしまった。
しかし、バスールによれば明るい材料もあったという。バスールは、開幕戦では2023年型フェラーリF1マシンの基盤がしっかりしていることがわかったと次のように主張している。
「サーキットとシミュレーションデータの相関関係は良好だよ」
「私は部下に言ったんだ。信頼性に欠ける部分を全て修正し、それからパフォーマンスに焦点を合わせるようにとね。F1選手権は長いんだ」
「最初のレースで勝てなかったからといって、コースから外れてしまったとは言えない。バーレーンではいくつかの点であまりよくなかったことは認めるが、そのほかのことでは力づけられたよ」
■フェラーリ首脳陣との関係にも問題はない
だが、最近では人材流出問題以外にも、開幕戦の結果を受けてルクレールがフェラーリ会長のジョン・エルカーンに対して会って話をしたいと申し入れたようだとか、フェラーリのCEOを務めるベネデット・ヴィーニャとバスールの関係がうまくいっていないようだとか、様々な噂が飛び交っている。
だが、バスールはこうした報道も一蹴している。
「我々は連携している」
「冬のテストの後、エルカーンとヴィーニャと一緒に話をした。我々はイモラ(第6戦エミリア・ロマーニャGP/5月21日決勝)の後でまた会う予定だ。これらは予定されたミーティングなんだ」
「何も問題はないよ。私は自分が何を達成したいのか知っているし、エルカーンとヴィーニャからは毎日連絡をもらっているよ」
バスールはそう語ると、次のように付け加えた。
「彼らが私に何を期待しているのか、私にはわかっているよ」。