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レッドブル首脳「F1に特効薬はない」不振メルセデスは「どこかで迷子になっている」

2023年03月09日(木)19:10 pm

レッドブル首脳のヘルムート・マルコは、今年のメルセデスがすぐにパフォーマンスを向上させるのは難しいだろうと考えている。

先週末に行われた2023年F1開幕戦バーレーンGPにおいて、メルセデスはルイス・ハミルトンが5位、ジョージ・ラッセルが7位という不本意な結果に終わってしまった。しかも、ハミルトンは優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に約51秒もの大差をつけられてしまっている。

こうした結果を受け、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは「2023年はレッドブルがすべてのグランプリで優勝する」とコメント。さらに、ラッセルも2023年のF1タイトルをレッドブルが手にすることになるのは確実だと語ったことが報じられている。

■そんなコメントは「ナンセンス」だとマルコ

母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』から、こうしたメルセデスの声についてどう思うかと質問されたマルコは次のように答えた。

「ナンセンスだね」

「1レースが終わっただけでそんなことは言えないよ」

「セットアップで1回ミスをすればそれで終わりだよ。昨年のブラジルで我々に起きたようにね」

だが、マルコは同じオーストリア出身のヴォルフが心配するのも当然だと考えているようだ。

マルコは、ヴォルフが今年のレッドブルはほかのどのチームのマシンよりもタイヤの摩耗が小さいと語ったことに言及し、微笑みを浮かべながら次のように語った。

「それに関しては、彼は間違っていないかもしれないね。私もマックス(フェルスタッペン)の汗は一滴も見ていないよ」

■マシンコンセプトは変えないフェラーリ

一方、先週末の開幕戦バーレーンGPでは予選でレッドブル勢に次ぐ2列目グリッドを確保したフェラーリだったが、決勝ではレッドブルのペースについていくことができなかったばかりか、シャルル・ルクレールがエンジントラブルでストップし、カルロス・サインツもフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にオーバーテイクを許すという厳しい結果に終わっている。

しかし、フェラーリでは、2023年型F1マシンのポテンシャルに問題があるわけではないと考えており、タイヤの摩耗という問題をクリアすることができればレースでも十分に戦えるはずだと考えているようだ。

■メルセデスはマシンを大幅に修正か

その一方で、メルセデスは昨年に引き続いて投入した「ノー・サイドポッド」と呼ばれるユニークなマシンコンセプトを大幅に変更する計画を進めていると伝えられている。

さらに、メルセデスでは2021年の6月までテクニカルディレクターを務め、現在はチーフテクニカルオフィサーとして管理職に就いているイギリス人エンジニアのジェームス・アリソンをF1の第一線に復帰させるのではないかとの噂もささやかれている。

マルコは、メルセデスが異なるマシンコンセプトに変えようにも、バジェットキャップ(チーム予算上限)という制約がある中では難しいだろうと考えている。

しかし、ヴォルフはこれに関しては次のように主張している。

「我々はタオルを投げているわけではないよ」

「バジェットキャップが我々を制限することはないだろう」

「我々は今、どの方向に進むかを決断し、取り組むべきデータを手に入れなければならないだけだよ」

■メルセデスに特効薬はないとマルコ

マルコは、2014年から2021年まで8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスが現在のような状況に陥ったことと、レッドブルが少なくとも2020年までなかなかメルセデスに勝てなかったこととは、大きな違いがあると考えている。

「違いは、我々は50馬力も低いルノーエンジンを搭載していたことだよ」

2018年までルノーからエンジン供給を受けていたことに言及しながらそう語ったマルコは、次のように続けた。

「メルセデスは自分で問題を作ってしまったんだ」

「一見したところ、彼らはどこかで迷子になってしまったようだね。私は、彼らが今後どのように対応するのか見てみたいよ。コスト上限がある中で完全に新しいマシンを組み立てることができるのかどうかをね」

「最近の経験から言えば、特効薬があるとは思えないよ」

■今後状況が変わる可能性もあるとF1最高責任者

一方、F1 最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリは、メルセデスとフェラーリが今後すぐにレッドブルに対して反撃開始することを期待しているようだ。

「レッドブルのペースは明らかにライバルたちを悩ませている」

母国イタリアの『Sport Mediaset(スポート・メディアセット)』にそう認めた57歳のドメニカリだが、2023年シーズンがこのままの状況で推移するとは限らないと主張している。

「しかし、私の経験からすれば、我々は非常に慎重であるべきだと思う」

「昨年は、3レースを終えた時点ではフェラーリが絶好調だったし、多くのポイントをリードしていた。だから、誰もがシーズンはもう終わったと言っていたんだ」

2014年シーズン序盤までフェラーリのチーム代表を務めていたドメニカリはそう語ると、次のように付け加えた。

「明らかに、その後は違う展開になったよ」

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