レッドブルは、アストンマーティンが2023年に大きな飛躍を果たしたのは、自分たちのF1マシンをコピーしたからにほかならないと考えている。
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■バーレーンで表彰台に上ったのはレッドブルだけ?
今季のF1開幕戦バーレーンGP決勝をチームメートのマックス・フェルスタッペンに次ぐ2位でフィニッシュしたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、3位でチェッカーフラッグを受けたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に言及しながらレース後に次のようなジョークを口にした。
「レッドブルのマシンが3台も表彰台に上がったのはうれしいことだね」
「僕たちはみんなレッドブルのドライバーなんだ」
■今年のライバルは「3台目のレッドブル」だとヘルムート・マルコ
また、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も、2005年と2006年のF1チャンピオンである41歳のアロンソがバーレーンで表彰台に上ったことに驚きはしなかったという、
79歳のマルコは、母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「レース前に、私はアロンソが3位になるだろうと言ったんだ」
「もし、アロンソが予選でもっと高い位置につけていたら、間違いなく我々を脅かす存在になっていただろう」
開幕戦を終えた時点で、2023年にレッドブルにとって最大のライバルとなると思われるのはどのチームかと尋ねられたマルコは、次のように答えている。
「3台目のレッドブルだよ」
■アストンマーティン飛躍の陰に元レッドブル空力責任者
実際のところ、今季のアストンマーティンが大きく飛躍したのはテクニカルディレクターであるダン・ファローズの功績が大きいと考えられている。
2021年までレッドブルの空力責任者であった49歳のファローズは、アストンマーティンに引き抜かれ、2022年4月からテクニカルディレクターを務めている。つまり、アストンマーティンの2023年型マシンは、ファローズが中心となって設計されたものであることは確かだ。
つまり、2022年に全22戦中17戦で勝利するという圧倒的な力を誇ったレッドブルF1マシンの設計に従事していたファローズが、そのマシンをコピーして造ったのが2023年型アストンマーティンF1マシンだと言えるだろう。
■アストンマーティンのコピーは完璧すぎる?
マルコはさらに、ファローズが何らかの形でレッドブルF1マシンの詳細資料を持ち出していたのではないかという疑いも抱いているようだ。
「ファローズの頭の中にあるものを消し去ることができないのは事実だ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「コンセプトをコピーすることは禁止されていない。だが、我々のマシンの資料なしに、あれほど詳細にコピーできるだろうか?」