アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、今年フルタイムドライバーとしてF1デビューイヤーを迎えるニック・デ・フリースは、自分を同じオランダ出身の現F1チャンピオンである25歳のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と比較しないように注意するべきだと主張した。
■念願のF1フルタイムシートをつかんだデ・フリース
今年はルーキードライバーとして初めてF1フルシーズンを戦うことになるデ・フリースは、すでに今月6日には28回目の誕生日を迎えている。
2019年のF2チャンピオンという肩書きを持つデ・フリースだが、F1昇格のチャンスには恵まれず、これまではWEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEに参戦しながらその機会を探っていた。
2020-2021年シーズンのフォーミュラEチャンピオンとなったデ・フリースは、2022年にはメルセデスのリザーブドライバーを務めていたが、そのメルセデスがエンジンを供給するウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが虫垂炎で欠場することになったことからその代役として2022年F1第16戦イタリアGPで急遽F1デビュー。
そして、そのレースで見事に9位に入賞するパフォーマンスを見せたことがきっかけでピエール・ガスリーの後任として2023年のアルファタウリのシートを手に入れることができたのだ。
■デ・フリースが避けるべきはフェルスタッペンを意識すること
フェルスタッペンの快進撃に加え、デ・フリースも参戦することになったことで、母国オランダではより一層F1への興味が高まってきているようだ。
こうした中、オーストリア出身の67歳のトストは、デ・フリースに対し、自分自身の内にある情熱を抑えるように警告している。
「メディアがそうするのはかまわない。ニック自身がそれに巻き込まれない限りね」
「彼にできる最悪のことは、マックス・フェルスタッペンと自分を比較することだよ」
「マックスは前代未聞の速さを誇る信じられないほどのスキルを持ったドライバーだし、F1で最高のエンジニアと仕事をしている。もし、すぐにそれと自分を比較し始めたら、非常に難しいことになってしまうだろう」
オランダの『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』にそう語ったトストは、次のように付け加えた。
「今のニックはそんなことに気をとられるわけにはいかないよ。彼はただあのマシンに乗り込み、ベストを尽くすだけだ。そうすれば結果は自ずとついてくるよ」